妊娠・育児
安全日なのに妊娠?危険日以外で妊娠する確率を調べてみました!
妊娠のしやすさを示す「安全日・危険日」という言葉は広く知られています。避妊せずにセックスしてしまったり、避妊に失敗してしまったりして、妊娠の可能性を心配したことのある女性も多いでしょう。そこで今回は、安全日でも妊娠する確率を調べてみました。

目次
100%の安全日も100%の危険日も、存在しない!
あなたは妊娠を考えていますか?それとも、今はまだ準備ができていなくて、避妊したいと考えていますか?妊娠を望むタイミングというのはカップルによってそれぞれ違いますよね。結婚しているかしていないか、妊活中かなど、さまざまな場合があるでしょう。
妊娠するためにも妊娠しないためにも、知っておきたいことのひとつが、妊娠の「安全日」と「危険日」です。定期的にセックスをするパートナーがいる男女にとっては、やはり気になる言葉なのではないでしょうか。

まず最初に大切なことは、安全日・危険日とも、「100%の安全日」・「100%の危険日」というものは、存在しないということです。医学的には、一か月の中で「セックスしても妊娠しない」という安全日は存在しないというのが、正しい考え方です。

逆に危険日についても、同じことが言えます。これは妊活中の女性ならご存知でしょうが、危険日の中でも最も妊娠の可能性の高い排卵日当日に、生殖能力に問題のない男女がセックスを膣内射精(中出し)で行ったとしても、妊娠する可能性は50%をはるかに下回るのです。
妊娠を望まない女性はセックスをしてはいけない?
以上のことを踏まえると、妊娠を望まない女性は、「セックスをしてもいい時期はないのか?」「安全日とは何だろう?」という疑問が浮かんできませんか?そこで考え出されたのが、「安全日」・「危険日」という確率論です。これは正確には、安全日イコール「比較的妊娠しにくい確率の日」・危険日イコール「比較的妊娠しやすい確率の日」ということを指します。

そうなると、安全日・危険日というのは具体的にいつのことを言うのか、自分の安全日・危険日はいつなのか、そして安全日や危険日にはどのくらいの確率で妊娠するのか・妊娠しないのかということを、知りたくなってきたのではないでしょうか。

そんなあなたのために、今回は、安全日・危険日の割り出し方と、安全日でも妊娠する確率などについて調べてみました。また妊活中の女性にとっては、いつが妊娠しやすい時期なのかもわかると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
安全日・危険日は、ホルモンバランスと深く関係しています
安全日・危険日といった生理周期は、ホルモンバランスと深く関係しています。そのため、生理周期を記録していくうちに、安全日・危険日などの妊娠しにくい時期や妊娠しやすい時期だけではなく、気分が変化しやすい時期や、ダイエットに向いている時期などを、事前に把握できるようになります。
妊活中だったり避妊を考えている女性はもちろん、どちらも今は考えていない女性でも、自分の生理周期や安全日・危険日を知っておくと、とても便利です。
望まない妊娠をしないために…安全日・危険日とは?
安全日・危険日は、排卵日から割り出します。
安全日とは、比較的妊娠しにくい確率の期間のことで、危険日以外の期間を言います。ただし前述の通り、安全日でも絶対に妊娠しないわけではありませんので、妊娠を望んでいない場合は避妊する必要があります。それでは、何をもって安全日には妊娠しにくいと言われているのでしょうか。一般的には、生理周期から排卵日を予測することで、安全日・危険日が割り出されています。
安全日・危険日を割り出す生理周期には、個人差があります。
女性の生理周期には個人差があります。正常な範囲は、25日~38日程度と言われています。生理の初日から、次の生理の初日までを、一周期と考えます。排卵日を知ることは、妊活の第一歩ですが、排卵は、生理の開始から約14日間で起こることが多いと考えられています。そしてこの排卵日の前後が、最も妊娠する確率が高い期間、いわゆる「危険日」と言われているものです。
このとき、子宮で排卵が行われており、粘着性のおりものが分泌されます。この状態のときは妊娠する確率が非常に高くなっています。基礎体温をつけている場合は、このあたりで低温期から高温期に変わることが多いでしょう。次の生理予定日から14日前ということになりますので、妊活中の女性には妊娠を考える目安ともなります。
排卵日を正確に予測することは現代医学においても非常に困難です。
この高温期に入ってから、およそ4日目以降から次の生理が来るまでを、比較的妊娠する確率の低い「安全日」と呼ぶことが多いようです。また生理中も、比較的妊娠する確率は低く、安全日に分類されるでしょう。

ただし女性の身体はとにかくデリケートなものですので、現代医学においてさえ、排卵日を正確に予測することは非常に困難なのです。日常生活のストレス、疲労、その他の些細なことがきっかけで、排卵が大幅にずれたり、変則的に起きることは十分にありえます。法則的には安全日でも、あなたの身体次第では安全日ではなくなってしまうということです。
望まない妊娠をしないために…オギノ式による安全日・危険日の計算方法
オギノ式とは、大正時代に産婦人科医・荻野久作氏が発表した学説をもとにした、安全日・危険日の計算方法です。もともとは避妊ではなく、妊活のために考え出されました。オギノ式では、精子の生存期間を3日としています。その上で現在では、まず排卵日のほうを予測し、その3日前から2日後までを危険日とするのが一般的です。そして安全日は、危険日から3日経過したあとから次の危険日までとされています。
生理不順の女性には適さない方法です。また生理周期が安定している女性でも、体調やストレスなどによって生理周期が乱れることはありますので、安全日が割り出しにくく、オギノ式だけでは十分な妊活・避妊になりません。妊娠を望まない場合は、安全日でもコンドームやピルなどを併用して避妊しましょう。
望まない妊娠をしないために…基礎体温表による安全日・危険日の計算方法
朝、目を覚ましてからすぐに計測する基礎体温から、安全日・危険日を予測する方法です。基礎体温には、低温期と高温期があります。生理が終わってから排卵日までは低温期、排卵日を過ぎると高温期になる傾向があります。
低温期から高温期に移行する前後が、排卵が起きる可能性の高い日となります。排卵は、低温期の中でも最も基礎体温が低い日から、数日以内に起きるのです。そのため、低温期の中で基礎体温がぐっと下がったら、排卵日が近いと言えます。
ただし基礎体温は、その日の体調、測定時間、前日に飲酒したかどうかなどの、さまざまな理由で変化してしまいます。基礎体温による安全日・危険日の割り出しも、やはりあくまでも目安程度に考えておきましょう。
望まない妊娠をしないために…安全日に妊娠する確率は?
安全日(中出し)の場合。
一年間で安全日にのみセックスした場合、これは膣内射精(中出し)で、妊娠の確率は1~25%です。中出しとは言え、25%と言えば4分の1の確率なので、安全日と言われているにしては決して少なくないと言えるかも知れません。
膣外射精(外出し)の場合。
一年間で膣外射精(外出し)を続けた場合、妊娠の確率は4~18%です。膣外射精とは、コンドームなどの避妊具は使わず、射精するときにのみ外出しすることです。ただし外出しの場合、男性によっては多少膣内で精液を出してしまっていることもあるので、正確な数字を出すのは難しいと言えます。
コンドームによる避妊の場合。
一年間でコンドームによる避妊を続けた場合、妊娠の確率は2~15%です。意外に高い数字が出ました。避妊とは言えない外出しや、中出しと、あまり変わらない確率です。これは不適切な方法でコンドームを使用したために、確率が上がってしまったものと考えられます。コンドームを正しく使用した場合の妊娠の確率は2~3%と言われています。
低用量ピルの服用による避妊の場合。
一年間で低用量ピルによる避妊を続けた場合、妊娠の確率は0.3~8%です。一番妊娠する確率の低い避妊法と言われています。低用量ピルは婦人科で、一か月二千円~三千円で処方してもらえます。
年齢によって変わる、危険日での妊娠の確率
危険日での妊娠の確率は、年齢によって変わります。25歳から30歳が25~30%、~35歳が18%、~40歳が5%、~45歳が1%となります。これらは健康な女性の場合の数値です。危険日にも関わらず、低い数値だと思うかも知れません。しかし、妊娠が成立するのは実は大変なことで、精子と卵子が出会って「受精」するのは80%と高確率ですが、そこから子宮に着床できなければ妊娠は成立しないのです。

そうは言っても、これはあくまでも統計上の確率です。妊娠を望まない場合、女性の身体を考えるのであれば、必ず避妊を行ってください。
望まない妊娠をしないために…間違った避妊方法とは?
コンドームや低用量ピルなどの避妊具が手軽に購入できる時代になったとは言え、まだまだ間違った避妊方法が信じられています。特に10代~20代のカップルでは、コンドームやピルを使用しなくても、安全日なら大丈夫だとか、外出ししていれば大丈夫、中出しさえしなければ絶対に妊娠しないなどという、俗説を信じている場合さえ少なからずあるようです。
断言しますが、外出しは避妊ではありません。そして安全日でもコンドームやピルを使わずに、中出しを続けていれば、妊娠の確率は高まります。もっと言えば、中出しや外出しなどと言っている時点でアウトです。妊娠を望まないのなら、安全日にもしっかりと避妊し、できれば危険日にはセックスを控えましょう。
安全日だから妊娠しないということは、絶対にありません!

安全日とは、とても簡単に言えば妊娠しにくい日のことを言います。しかし、「絶対に妊娠しない」などということは、決してないのです。妊娠しては絶対に困るのに、危険日だから避妊する、安全日だから避妊しないという考えは、とても危険です。妊娠を避けたい場合は、安全日にも必ず避妊をしましょう。またピルとコンドームの併用など、ある程度確実性の高い避妊方法を、パートナーと話し合って実践するようにするのも大切です。