妊娠・育児
赤ちゃんのハイハイの時期はいつ?練習方法やずりばいの意味まとめ
赤ちゃんの成長段階の大切なひとつ「ハイハイ」について。ハイハイができるようになる時期や、その練習方法をご紹介します。赤ちゃんの成長には個人差がありますが、だいたいの時期を知っておくことで、子供部屋の環境を前もって見直すなど、育児の参考にしてください。

目次
楽しくて嬉しい赤ちゃんの成長
誕生した瞬間から、赤ちゃんはどんどん大きくなって、日々できることが増えていきます。「首がすわるようになるのはいつかな」、「寝返りがうてるようになるのはいつだろう」、などと、毎日育児に励むママとパパは、赤ちゃんの成長時期が気になりますよね。
中でも、ハイハイは赤ちゃんの体の成長において、大切なステップです。ハイハイができるようになると、赤ちゃんの体はどんどん強くなり、行動範囲も一気に広がります。目が離せなくなって大変なことも増えますが、好奇心いっぱいに動き回る赤ちゃんはとってもかわいくて、喜びもひとしおです。
ここでは、赤ちゃんがハイハイを始めるだいたいの時期や、その練習方法についてご紹介します。赤ちゃんがのびのびと動き回れるように、床に危険なものは落ちいていないか、十分なスペースはあるか、などを確認するのも大切です。ハイハイを始める時期に合わせて、赤ちゃんがいる部屋の環境を見直すなど、育児に役立ててみてください。
赤ちゃんがハイハイをできるようになるまで
赤ちゃんは、ある日急にハイハイができるようになるわけではなく、筋肉や骨の発達段階に応じて少しずつできることを増やしていきます。誕生してから、まずは首がすわって寝返りができるようになります。その後、腕や腰に力がついてくると、ほふく前進のように体をひきずる「ずりばい」、さらに「お座り」ができるようになります。そしてようやく、四つん這いの姿勢で移動する「ハイハイ」をし始めるのです。
「ハイハイ」と「ずりばい」の違い
「ずりばい」はハイハイの前段階として現れる、ほふく前進のような動きです。うつぶせの状態で、腕や脚で床を押したり蹴ったりして、前や後ろに這って進みます。ハイハイのように自分の体を持ち上げるには筋力がまだ十分でないために、このような動き方になります。腰はまだ浮かせられないけれど、上半身を起こすことができる赤ちゃんは、肘をついて動く「ひじばい」をすることもあります。
一方の「ハイハイ」は、手の平と膝を床につけて、上半身を持ち上げた状態で進む動き方のことを言います。ハイハイのやり方にも個人差があり、脚を突っ張って腰を高く上げた状態で進む赤ちゃんもいれば、その場でぐるぐると回っていたり、後退したりしている赤ちゃんもいます。
ちなみに、赤ちゃんの中にはお座りができるようになった後、ずりばいを経ないで立てるようになったり、ずりばいからハイハイに移行しないまま歩くようになったりという子もいます。みんながみんな同じ成長過程をたどるわけではないので、ずりばいやハイハイをしないからといって心配する必要はありません。また、乳児健診ではずりばいをしていればハイハイをしているうちに入ると判断されることもあります。
赤ちゃんはいつ「ずりばい」を始めるの?
ずりばいを始める時期は、生後7~8か月頃が一般的と言われています。ただし、個人差もあるので、始める時期が多少遅くても心配する必要はありません。ずりばいを始めるのは、寝返りができる体がしっかりとつくられてからなので、寝返りの時期が遅ければ、ずりばいを始める時期も遅くなります。寝返りが上手にできないうちは、ずりばいをさせようと無理な動きをさせるのは避けましょう。
「ずりばい」が「ハイハイ」に変わるのはいつ?
ずりばいが上手にできるようになると、背骨や体幹がしっかりしてくることにより、お座りができるようになります。背骨がしっかりすると、腰や脚の筋肉もさらに成長するので、赤ちゃんの動きはどんどん力強くなり、活発に動けるようになっていきます
赤ちゃんがハイハイを始める時期は、平均的な目安として生後8か月頃と言われています。体の発達によって個人差があるので、ハイハイの時期が2,3か月前後するのはよくあることです。赤ちゃんのペースで少しずつ体が発達していくので、早ければ早いほど体が強い、かしこい、というものでもありません。いつになったら…と焦らずに見守ってあげましょう。
ハイハイは赤ちゃんへのメリットがたくさん
大人が自分でハイハイをしてみるとよくわかるのですが、四つん這いで頭を上にあげて体を前に運ぶのはそれなりに力がいります。ハイハイをすることで、頭を支える首や肩、そしてそれを支える様々な部分が鍛えられ、全身にバランスよく筋肉が付きます。また、胴体を支えた状態で動くため、バランス感覚も鍛えられます。さらに、運動量が増えることで肺が強くなるとも考えられています。
意外に感じるかもしれませんが、ハイハイのときに赤ちゃんは手足の指も使っています。手の平を床につけてふんばり、足の親指で床を蹴るようにして進んだり、方向転換したりしているのです。ハイハイをするために手や足の指を活発に動かすことで、今まで使っていなかった部分の脳に刺激が届きます。この刺激は赤ちゃんの知性や運動能力によい影響を与えます。
さらに、ハイハイ、あるいはその前段階の「ずりばい」をすることで、赤ちゃんの行動範囲はぐっと広がります。色々なものを触って確認することでたくさんの刺激を受けるとともに、触りたい、動きたい、という自我が芽生え、体だけでなく精神的な発達にも非常に役立つのです。
赤ちゃんがハイハイをしなくても大丈夫?
赤ちゃんがハイハイを始める時期には個人差が大きいので、ハイハイは育児に励むパパとママを悩ます問題になりがちです。赤ちゃんの中には、いつまでもずりばいをしてなかなかハイハイをしなかったり、お座りをしたと思ったらいきなりつかまり立ちをしたりする子もいます。また、つかまり立ちと同じ時期にハイハイをし始めることも珍しくありません。
赤ちゃんの成長段階や順序には個人差があるので、育児情報誌などとの多少の違いは大きな問題ではありません。「うちの子はどうしてハイハイしないの」とイライラするのではなく、「そういう性格の子なんだな」と捉えてあげてください。生後10か月頃までにつかまり立ちや伝い歩きができれば赤ちゃんの成長としては問題ないので、長い目で様子を見ましょう。
ただし、ゆっくり成長しているだけという場合ならいいのですが、時には足の筋力不足、遺伝、もしくは病気などの原因も考えられます。あまり神経質になる必要はありませんが、どうしても心配なときは小児科の診察を一度受けてもいいかもしれません。
赤ちゃんのハイハイを促すには
赤ちゃんがいつになってもハイハイを始めない、という育児の悩みを持っているパパとママもいるのではないでしょうか。赤ちゃんの成長速度には個人差があるとはわかっていても、「ハイハイをしないのが心配」、「赤ちゃんが運動不足なのでは」とどうしても気になってしまうもの。そんな時は、ママとパパの力を赤ちゃんに少し貸してあげて、練習してみるのもいいかもしれません。
赤ちゃんに、自力で腕や足を動かすコツを教えてあげることと、「やってみたい」という積極的な心を育てることがポイントです。無理やり促すと赤ちゃんが嫌がってしまいます。また、無理な練習をすると、股関節脱臼などにつながることもあります。ハイハイの練習には様々な方法がありますが、赤ちゃんの性格に合わせて、楽しく練習してあげましょう。
赤ちゃんの足裏を押してハイハイの練習
赤ちゃんがうつぶせで足をばたばたさせていたら、赤ちゃんの足裏を床につけて支え、床を蹴る手助けをしてあげます。足で床をキックして、前進する感覚をつかめるようになります。床をキックする動作がまだできない赤ちゃんには、足裏に手を添えてあげたり、大きめの箱などを当てて、キックすることで前に進めるという感覚を覚えさせてあげます。
おもちゃを使ってハイハイの練習
赤ちゃんの目の前の「ちょっと動けば届きそう」な場所に、お気に入りのおもちゃを置いて興味をひいてみましょう。赤ちゃんはそのおもちゃを触りたくて、なんとか前に進もうと頑張ってくれます。触ると音がするおもちゃや、コロコロと転がるおもちゃがおすすめです。
お手本を見せてハイハイの練習
パパかママが実際にハイハイをやって見せる練習方法です。赤ちゃんは目で見たものを真似する習性があります。パパやママが赤ちゃんの横に寝転がり、隣でハイハイのお手本を見せてあげると、じっと観察して同じ動きをしてみようとします。最初は両手、両腕を同時に動かして移動して見せ、徐々に片方ずつ腕や足を動かすようにします。お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合は、協力してもらうのもいいですよ。
ママとパパに登ってハイハイの練習
ハイハイをする先にママかパパが座り、赤ちゃんが近づいてきたら膝に登らせてみるのもおすすめです。赤ちゃんのちょっと前に座り、「おいでー」と励ますように声をかけてあげましょう。パパとママが楽しそうな笑顔で手招きしてあげると、赤ちゃんは大はしゃぎで前に進もうと頑張ってくれますよ。
四つん這いの姿勢を作ってハイハイの練習
ずりばいはするけれど、なかなかハイハイにならない、という場合は、一度四つん這いの姿勢を教えてあげるのもおすすめです。ママかパパが後ろから抱っこをして、四つん這いの姿勢になるようにゆっくりと床に降ろしてあげましょう。四つん這いの状態はずりばいよりも目線が高くなるので、赤ちゃんにとっても新鮮です。「ちょっと高い世界」に興味を持って、ハイハイを始めることもありますよ。
赤ちゃんがハイハイを始めたときの安全対策
赤ちゃんがずりばいやハイハイを始めると、行動範囲がぐっと広がります。赤ちゃんがずりばいをできるようになってきたら、部屋を見回し、移動できる範囲や手の届く高さに、何か危険なものがないかを確認することが、育児においてはとても大切です。ほんの少しの段差でも、ずりばいやハイハイをする赤ちゃんにとってはケガにつながることがあるので気を付けましょう。
床にクッションマットを敷く
ずりばいやハイハイを始める時期の赤ちゃんは、体のバランスがまだ上手にとれません。ふとした瞬間に、重たい頭を床にゴツンとぶつけてしまうことがあります。また、フローリングは硬くて滑りやすい上に冷たいので、赤ちゃんにはあまり適しません。フローリングのご家庭は、頭をぶつけたときの衝撃をやわらげるために、床にクッションマットを敷いてあげましょう。
こまめな掃除で赤ちゃんの誤飲やケガを防ぐ
ハイハイをする赤ちゃんにとっては、床上30センチ以内が自分の動ける高さです。赤ちゃんは目に入るものを何でも口に入れようとするので、自由に動けるようになると誤飲の危険が高まります。また、ガラスの破片などとがったものが落ちていると赤ちゃんがけがをしてしまいます。ほこりやゴミが床に落ちていないように、細心の注意を払い念入りな掃除を心がけましょう。
家具の配置を見直す
ハイハイに慣れた赤ちゃんは、一気に行動範囲が広がり、少し目を離したすきに予想以上に移動していることがあります。家具の角に頭をぶつけてしまったり、低い位置の引き出しを開けたり、床に置きっぱなしの雑貨に手を伸ばしてしまったり、などドキッとする瞬間が増えてきます。赤ちゃんが手を伸ばせる範囲で危険な家具はないか、設置が不安定なものはないかなど、育児部屋全体を改めて見直してみましょう。
また、ずりばいやハイハイからいつの間にかつかまり立ちへ移行していることもあります。ドラム式洗濯機のフタはつかまり立ちをした赤ちゃんにちょうどいい高さにあります。ずりばいが安定してきたら、ドラム式洗濯機のフタは必ず閉めておくようにしましょう。
便利な育児グッズを利用する
ローテーブルや椅子などの角は、ちょうど赤ちゃんの頭や目に当たりやすい高さにあるので、角にクッションをつけておくと安心です。家具の角に貼れるコーナークッションや、引き出しストッパー、コンセントカバーなど、赤ちゃんのケガを防止する便利な育児グッズが販売されているので、ずりばいが始まったタイミングで一度、部屋の中の家具の安全性を見直して、赤ちゃんにとって安全な環境を整えましょう。
赤ちゃんの行動範囲を仕切る
ずりばいやハイハイが上手になると、ちょっとした段差を乗り越えて部屋を移動してしまうこともあります。浴室やキッチン、階段など赤ちゃんにとって危険な場所に簡単に行けてしまう場合は、ベビーゲートやベビーフェンスを設置して、赤ちゃんが入れないようにしましょう。
赤ちゃんのペースに合わせて楽しい育児を
赤ちゃんのずりばいやハイハイは、全身の筋力を発達させるだけでなく、脳の発達も促す効果があると言われています。赤ちゃんが一生懸命動こうとするのは、「動きたい」「触りたい」「遊びたい」などといった自我が芽生えた証拠です。
赤ちゃんがなかなかハイハイをしないときは、全身を使う運動を積極的に促すようにしたり、知育玩具で脳を育てる遊びをしたりするなど、赤ちゃんに合わせて遊び方を変えてサポートをしてあげましょう。育児情報誌や周りの赤ちゃんと比較して、「いつになったらできるようになるんだろう」なんてやきもきせずに、その子なりの成長する姿を楽しんであげるといいですよ。
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