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玄米の栄養について解説!成分や効果・バランス良い食事について調査
玄米が栄養成分豊富で健康に良いというのは有名ですよね。ここでは、具体的にどのような栄養が含まれているのか、玄米の栄養にはどのような効果があるのかなど、玄米を食事に取り入れることのメリットをまとめてご紹介します。玄米を賢く活用して美容と健康を手に入れましょう!

目次
玄米ってなに?
玄米とは、脱穀したお米を精米して白米にする前の、米ぬかが付いた状態の米です。玄米特有の茶色っぽい色は、米ぬかの色なのです。白米に比べて栄養バランスが良く、玄米を食事に取り入れることが、健康法やダイエット法として注目され、ブームになったこともありました。
今回は、玄米には具体的にどのような栄養成分が含まれているのか、そしてどんな効果が期待できるのかを、まとめて解説していきます。健康や美容のためには、栄養バランスの良い食事をすることがとても大切です。玄米の栄養成分がどのように役立つのか、ここからチェックしていきましょう!
玄米の嬉しい栄養①食物繊維
白米100グラムに含まれる食物繊維が0.3グラムなのに対して、玄米100グラムには1.4グラムの食物繊維が含まれていますので、玄米には白米のおよそ4.6倍の食物繊維が含まれていることになります。
食物繊維は胃や腸の中で水分を吸収して膨張する性質があるため、満腹感を与えてくれます。この作用によって食べすぎを防止することが出来るので、ダイエットの強い味方になってくれる栄養成分です。

食物繊維の栄養効果
食物繊維は、便通を良くして腸内環境を改善するという効果を持つ栄養成分です。便秘に悩む女性は多いですが、便秘が続いていると体内に老廃物が溜まった状態が続くため、体の巡りが悪くなり、お肌に吹き出物が出来てしまったり痩せにくくなったりと、美容に悪い影響がたくさん現れます。
食物繊維の効果によって便秘を解消できれば、老廃物の排出が促されて腸内環境が良くなり、健康にも美容にも良いのです。また、腸内環境が良くなるとホルモンのバランスも良くなり、精神的なストレスの軽減にも繋がるのです。食物繊維は様々な面で嬉しい効果を持っているんですね。
ちなみに、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があり、玄米に含まれるのは不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維が便秘解消に効果的なのは、水分を吸収して膨らむことによって腸を刺激し、排便のための運動を促すからです。
ここで一つ注意が必要なことがあります。便秘状態になっている人の中には、腸内が水分不足になっているケースも多く、その場合は不溶性食物繊維の水分吸収の効果によって、水分不足が悪化することがあるのです。そうすると、便が硬くなって便秘が悪化してしまいます。便秘解消のためには、不溶性の食物繊維だけではなく、水溶性食物繊維と水分も十分に摂ることが大切です。
玄米の嬉しい栄養②ビタミンE
白米にはビタミンEは僅かしか含まれていませんが、玄米には100グラムあたり0.5ミリグラムのビタミンEが含まれています。これは、ビタミンEがお米の胚芽の部分に主に含まれているためです。
白米の場合は、精製する際にぬかと一緒に胚芽も取り除かれてしまうため、ビタミンEの栄養成分がほとんど残らないのです。
ビタミンEの栄養効果
ビタミンEの有名な効果といえば「抗酸化作用」です。人間が生命活動をする中で発生する活性酸素は、体内の細胞を酸化させ、この酸化は老化や生活習慣病の原因となります。血中コレステロールの酸化は、動脈硬化の原因にもなります。ビタミンEの抗酸化作用は体内の酸化を食い止める作用なので、アンチエイジングと生活習慣病の予防に効果的なのです。
また、ビタミンEには毛細血管の血行を活発化する効果があるため、血流が悪いことが原因で起こる肩こりや冷え症の改善にも効果を発揮します。毛細血管の血行が良くなれば、体の隅々まで血液に乗せて栄養を運ぶことが出来るため、肌荒れの改善も期待できます。
玄米の嬉しい栄養③ビタミンB
玄米には、ビタミンB1とビタミンB2も多く含まれています。ビタミンB1は白米100グラムあたり0.02グラムなのに対して、玄米100グラムあたり0.16グラムと約8倍、ビタミンB2は白米100グラムあたり0.01グラムなのに対して、玄米100グラムあたり0.02グラムと約2倍です。
ビタミンEと同じく、白米の場合は精製でぬかと胚芽を取り除かれることによって、ビタミンB群の含有量が低下してしまいます。

ビタミンBの栄養効果
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質(炭水化物)をエネルギーに変えて消費するのを助けてくれる水溶性のビタミンです。カロリー消費を助けてくれるわけですから、ダイエットの味方にもなりますね。ビタミンB1が不足すると、スムーズにエネルギーを作り出すことが出来なくなり、疲労感や倦怠感を感じやすくなります。
また、ビタミンB1は脳に栄養を送って脳が正常に機能するのを助けるという働きをしています。そのため、ビタミンB1の不足はイライラや集中力の低下、ひどいと神経異常による手足のしびれや動悸、食欲不振などにもつながります。
夏バテや疲労に対処するために栄養ドリンクを飲む人もいるかもしれませんが、単純にビタミンB1不足ということも考えられますので、栄養バランスの良い食事を心がけてビタミンB1を不足しないように心がけてみましょう。食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも一つの手です。
ビタミンB2
ビタミンB2は体内での様々な栄養素の代謝を助ける栄養成分です。ビタミンB1と同様にエネルギーの代謝も助けていて、皮膚や粘膜を健康な状態に保つ役割も担っています。ビタミンB2が不足すると、脂漏性皮膚炎や口唇炎など、皮膚や粘膜の異常につながります。
玄米の嬉しい栄養④ミネラル
炭水化物・たんぱく質・脂質の三大栄養素にビタミン・ミネラルを加えて五大栄養素といわれますね。ミネラルは、ビタミンと共に体の調子を整える働きをしていて、三大栄養素を様々なエネルギーに変えるのを助ける作用を持っています。
ミネラルにはカルシウムやマグネシウム、リン、ナトリウム、カリウムなど、様々な種類がありますが、ここでは玄米に含まれるミネラルとして、カリウム、マグネシウム、リン、鉄をご紹介します。
ミネラルの栄養効果
ミネラル成分①カリウム
カリウムには、血圧を下げて筋肉や心臓を正常に動かす働きがあります。また、むくみ解消にカリウムが効果的だとよく言われますが、それはむくみの原因になる過剰な塩分(ナトリウム)の排出を利尿作用によって促して、体内の水分バランスを良くしてくれるためです。
神経細胞の中と外でカリウムとナトリウムが入れ替わることによって、神経の情報伝達が行われているため、体内のカリウムとナトリウムのバランスはとても大切です。現代の食生活では塩分過多になりがちなので、きちんとカリウムを摂取する必要があります。
ミネラル成分②マグネシウム
マグネシウムは骨を強くしたり、細胞の中のカルシウムやナトリウムの量と働きを調節して、血圧と血流を正常に保つ作用を持っています。また、神経の伝達をスムーズにする働きも持ち、体を強く健康に保つことと、バランス良く正常に働かせるためにとても大切な役割を果たしています。
ミネラル成分③リン
リンは、骨や歯、脳の材料になるミネラル成分です。糖質をエネルギーに変えて燃焼させる働きも持っています。食品添加物やスナック菓子、清涼飲料水など様々な加工食品に含まれているため、現代人の食生活において不足するということはまずありません。
逆に、リンは過剰摂取に注意したい栄養成分です。過剰に摂り過ぎると、カルシウムとのバランスが悪くなって骨をもろくしてしまいます。加工食品は食卓にとても便利なものですが、食品添加物の摂取には気を付けたいところです。
ミネラル成分④鉄
鉄は、血液中の赤血球を作る「ヘモグロビン」の材料になり、血液に乗せて全身の細胞や組織に酸素を届ける働きをしています。そのため、疲労回復のために大切な栄養成分です。また、ヘモグロビンの材料として使われない鉄は、肝臓に貯蔵されます。
鉄が不足すると、鉄欠乏性の貧血になってしまいます。体に十分な酸素を届けることが出来ないため、頭痛や倦怠感といった症状が表れ、酸素不足を解消しようとして心臓が過剰に働くため、動機や息切れなどの症状が現れることもあります。
特に女性の場合は、月経による出血や妊娠出産によっても鉄が失われるため、男性よりも多くの鉄が必要になります。鉄を多く含むレバーや赤みの肉、豆類や緑黄色野菜、貝類やひじきなどを意識的に食べるようにすると良いでしょう。
玄米の嬉しい栄養➄フィチン
フィチンとは最近研究が進められている栄養成分で、体内に溜まった悪性のミネラル物質を体外に排出する働きがあると考えられています。悪いものを排出するということで、体内のバランスを整える効果を期待されている成分ですが、良いミネラルも一緒に外に出してしまうという説もあり、研究が進められている成分です。
玄米の栄養で賢くダイエット
ダイエットは栄養を味方に!
玄米の栄養バランスの良さが注目されるようになってから、「玄米ダイエット」というダイエット法も提唱されるようになりました。玄米ダイエットとは、毎日の食事の白米を玄米に置き換えるという簡単なダイエット方法です。単純にカロリーを比べると、白米と玄米のカロリーにはあまり差がありません。しかし、その他の点で玄米は白米よりもダイエットに向いているのです。
玄米は白米よりも歯ごたえがあるため、食事による満腹感を感じやすいという利点があります。また、ここまでご紹介してきたようにビタミンB群や食物繊維などダイエットに嬉しい栄養成分が、白米よりも多く含まれています。そして、ダイエット中に不足しがちなミネラルも摂取できるというのも、玄米の利点でしょう。
もちろん、白米を玄米に置き換えたからといって暴飲暴食していてはダイエットは成功しません。バランスの良い食事や適度な運動をきちんと行う方が、ダイエットは格段に成功しやすくなるでしょう。とはいえ、白米を玄米に置き換えるだけでダイエットの助けになるなんて、こんなに楽で嬉しいことはないですよね!

玄米を美味しく炊くポイント
白米と玄米を混ぜる
初めて玄米を食べる人にとっては、玄米特有の固めの食感に抵抗があるかもしれません。そんな時は、白米と玄米を混ぜて炊くのがおすすめです。混ぜる割合はお好みでOKですが、初めての方は白米:玄米=2:1くらいがいいでしょう。
通常の炊飯器の炊飯コースで炊いて大丈夫ですが、2~3時間くらい水につけてから炊くことと、白米だけの時よりも水を多めにすることが美味しく炊くためのポイントです。
玄米だけで炊く
玄米だけで炊く場合には、玄米:水=1:1.6の割合がおすすめです。炊飯スイッチを押す前に、2~3時間くらい水につけておいた方が、炊き上がりが柔らかくなります。炊き上がったら、15分くらい蒸らしてから食べましょう。
玄米はよく噛んで食べよう
玄米は白米に比べてかなり歯ごたえがあります。また、食物繊維が豊富という利点の反面、白米よりも消化にエネルギーが必要なため、玄米を食べると胃が持たれると感じる人もいるようです。食べる時にしっかりと噛むことによって、消化を良くすることが出来て、胃腸への負担を軽くすることが出来ます。
よく噛むことは、満腹感を感じさせて食べすぎを防ぐことになりますし、脳の活性化にも良いといわれていますので、ぜひ食事に玄米を取り入れる際にはよく噛むことを意識しましょう。
玄米の栄養に注意点
ここまで、玄米を食事に取り入れることのメリットを多くご紹介してきましたが、ひとつ注意すべきといわれている成分があります。それは、アブシジン酸(ABA)という玄米の発芽のための成分です。この成分が、体内でのエネルギー代謝に悪影響を与えるという説があるのです。
アブシジン酸は、炊飯前に十分に水につけるか、玄米を煎ることによって不活性化します。もしも体内での悪影響が心配な場合は、炊飯器で炊く前に半日から一日ほど玄米を水につけておきましょう。
玄米で健康的な食事を!
玄米の栄養について、その成分と効果を解説してきました。白米にはない栄養が含まれていて、玄米特有の性質ゆえに健康や美容に良い食べ物として注目されたんですね。どんな食べ物も、それ一つを食べることによって完璧に健康になれたり綺麗になれるということはありません。
しかし、玄米の栄養バランスは、食事に取り入れることによって私たちの生活を健康的なものへと近づけてくれそうですね。特定の食べ物を我慢したり、極端なダイエット方法を使うことなく健康になれるのは嬉しいことです。玄米をうまく食事に活かして、美味しく健康な食生活を送りましょう!