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マイノリティの意味は?マイノリティの人の特徴やマジョリティとの違いも解説
「マイノリティ」という言葉をご存知でしょうか?近年、よく使われている言葉で、会話で恥をかかないためにも、マイノリティという言葉の正しい意味を知っておくことが重要です。また、対義語のマジョリティの意味についても解説します。

マイノリティの意味は?
「マイノリティ」とはどのような意味なのか、「マイノリティ」の言葉の正しい意味や最近の使い方、そしてマイノリティといわれる人にはどのような人がいるのかについて順に解説していきます。
原型は「minor=小さい」

「マイノリティ」という言葉は、もともと海外で使われだした言葉で、英語で表記すると「minority」となります。「minority」の原型は日本語で「minor=小さい」を意味しており、それを形容詞にして「minority=少数派」と表現しています。言葉の意味としては「社会的少数者」または「社会的少数集団」のことを意味しています。
最近の使い方

日々の暮らしの中で多くの意見がある中で、多数決を取った場合の少ない方の意見を持つ人たちを「マイノリティ」という言葉の使い方で表現していることが多いです。社会的な立場でのマイノリティ(少数派)なので、時にはあまり好ましくない差別的な意味での使い方をされることもあり、社会的弱者という意味合いでも使われています。

最近の使い方では、「マイノリティーオピニオン」など、マイノリティという言葉に合わせた造語も日常で使われるようになり、「少数派の意見」を意味するこの言葉は、本人にとっては失礼にあたることもあるため使い方を間違わないように、意見を尊重している旨を伝えて使用することが大切になってきます。
攻撃対象になりやすい事も

「マイノリティ」は社会的少数派で多くの人から見ると特徴があると思われているため、ときに攻撃の対象とされてしまう場合があります。 ある人はマイノリティの人の考えを正しい個性だと思ってくれていても、またある人は変わった人だと特徴付けてしまう場合もあります。人それぞれの価値観の違いや、意味のはき違えにより実際にマイノリティに当たる人たちが嫌な思いをしていることも社会問題となっています。
過去の偉人たちもマイノリティ

マイノリティであることが決して恥ずかしいことではないと自ら公表している偉人もいます。 例えばパソコン業界で有名なアップルのCEOであるティム・クックは、自分がゲイという性的マイノリティであることを、アメリカのTV番組で発表し、「マイノリティであることは天からの授かりものだ」と堂々と言っています。

そしてもっと過去にさかのぼると、ロミオとジュリエットなどで有名な劇作家の「ウィリアム・シェイクスピア」も性的マイノリティにあたるゲイだったとされています。彼が生きた21世紀には、同性愛はポピュラーなものではなく、許されることがなかったので、劇中にこっそりと性的マイノリティとみられる演出部分を盛り込んでいたのではともいわれています。
マイノリティの人の特徴

「マイノリティ」の人には実際に大きく分けて4つの特徴があります。それぞれを詳しく挙げていますので、正しい意味も含めて、それぞれのマイノリティにどんな特徴があるのか、どういうことを意味しているのかを含め、どのような意味があるのかも解説していきます。
自己主張が強い

1つ目に、「マイノリティ」は少数派を意味するだけに、マイノリティの人は、他人と意見が違うという特徴を持っている場合が多く見受けられます。その際に、多くの人は他人との意見の違いを恐れて、意見を変えたりする人もいるところを、マイノリティの人は意見の違いを気にせず強く主張する傾向にあると言えます。
反論が多い

2つ目に、「マイノリティ」の人は他人と意見が食い違った場合に、多くの人が相手の意見に合わせようとするところを、自分の意見を押し通そうとする特徴があります。人の意見に反論して自分が正しいと押し返すのが当たり前になってしまっているのもマイノリティであることを意味していることが多いようです。
普通である事を嫌う

3つ目に、「マイノリティ」の人の考え方は、一般的に見ると珍しいことが多い為、他人から時に褒められることがあります。そのためだんだんと人と同じ考えとして普通だと思われることを嫌い、マイノリティである自分の個性に意味を見出し、変わっていると言われることを誇りに思うことで、より強く自己主張するようになるといえます。
目標達成意欲が強い

そして最後の4つ目に、目標達成意欲が高いことが挙げられます。主張することが多い「マイノリティ」ですが、それは逆にマイノリティが自分の意見に心から自信を持っていることを意味していて、他の誰よりその意思が固いのです。そのため、マイノリティの人は他の人よりも一つの目標に対しての思いが人一倍強く、それを達成しようとする意欲もより強い傾向にあります。

「マイノリティ」の特徴を挙げていきましたが、誰にでも自分にも当てはまる部分があるかもしれません。どれも特徴だけを見ていると、やや気が強そうな性格の印象ですが、大きな意思を持っていること、他人と自分を比較せずに自分に信念を持っていることなどの特徴を考えると、過去に多くの偉人建を生み出したことにも納得できます。
マイノリティとマジョリティの違いは?
「マイノリティ」の言葉の意味が分かったところで、次に「マジョリティ」という言葉の正しい意味について解説します。
対義語
「マイノリティ」の対義語として「マジョリティ」という言葉があります。マジョリティは「major=多数」の形容詞で社会的多数派の意味で、世間一般的に常識と捉えられる意見を持つ人達、多くの支持者を持つ著名人などを意味しています。

社会的少数派のマイノリティの対義語として比較される意味で使われたり、マイノリティに比べると華やかで堂々とした印象を持つ意味で、マイノリティの対義語にも使用される言葉です。

過去にアメリカのニクソン大統領が、「グレート・サイレント・マジョリティ」という発言をしたのが有名ですが、これは「静かな大群」を意味していて、対義語として「ノイジー・マイノリティ」と言われたベトナム戦争に賛成する少数派のマイノリティの意見への対義語として多くのものは戦争をしたいと思っていないということを訴える意味の使い方をされた言葉です。
少数派か多数派か

マイノリティは社会的少数派を意味しているので、対義語のマジョリティは社会的多数派を意味することになります。多数派であることによりマジョリティは社会的な立場が有利になるという考え方ですが、何でも多くの意見が正しいことを意味するとも限らないため、単に対義語で使われる言葉以外にもマイノリティという言葉の使い方が問題となっています。

他にもマジョリティは、多数派として有利にあることが生活の中でも多数見受けられます。例えば日本人に右利きが多いということで改札口が右にあったりすることも挙げられます。多くの人が集まることで強い立場になったように勘違いしているのが現実で、これがマイノリティへの非難にもつながっているのです。
マイノリティは目立ちやすい

社会的少数派ということだけで、マイノリティの人は世間から少し変わった人だと思われてしまうこともあり、本人たちは正しいことをしていても、珍しい目で見られてしまうことがあります。一方、対義語を意味するマジョリティは正統派として世間に意見を受け入れられやすい傾向にあります。

マイノリティの対義語としてマジョリティは社会的多数派だとお伝えしましたが、多くの人は他人と同じことをすることで規律を守るよう学校で教えられてきました。犯罪などに関しては社会を守るために必要ですが、日々の暮らしで人と同じであることは本当に正しいのか、単に対義語としての使い方をされるマイノリティの意味も含めて考えさせられます。
具体的にはどんなマイノリティがある?

マイノリティの大まかな特徴をお伝えしましたが、マイノリティの中でもさらに細かく5つの種類があります。それぞれのマイノリティの意味や言葉の正しい使い方も含めて解説していきます。
民族的マイノリティ

民族的マイノリティとは、世界中に数多く存在する少数民族を意味しています。例えば北海道の先住民のアイヌなどだんだん少数となってしまった民族ですが、マイノリティだからといって立場が弱いことを意味するわけではなく、伝統と誇りを持った民族集団といえます。

もともとマイノリティという言葉が、アメリカの黒人差別についての人権保護のため生まれた言葉で、アメリカのマジョリティすなわち白人による被害などが問題となっています。欧米では様々な人種が共存し、黒人の移民も受け入れたことで、マイノリティに対する保護の意識が高いと言われています。
性的マイノリティ

性的マイノリティとは、一般的には異性を恋愛対象にするであろうという考え方の中における同性愛や、子供を対象としている児童愛などがあります。中には近年、個性として認められてきている性的マイノリティもあり、海外セレブが同性愛を発表している例も多々見られ、以前より堂々とした使い方をされています。
学歴マイノリティ

学歴マイノリティは、家庭の事情などで義務教育までしか受けることができなかった場合などにおける、マイノリティを意味しています。これはマイノリティであることで差別的な扱いを受けても、その後就職などで実際にどのように働くかで解決していける傾向にあります。
福祉マイノリティ

福祉マイノリティとは、どの地域に住んでいても平等に受けられるべき福祉の面で、マイノリティであることが原因で、本来なら受けることのできる満足な対応をしてもらえないことを意味しています。育児に関する補助や、老後の介護についての正しい対応を受けられない生活面でのマイノリティが挙げられます。
社会的マイノリティ

社会において弱い立場のマイノリティであることを意味します。昔から続く差別や、地域の特性などで生活する上で不自由を感じてしまう人も存在します。先ほど述べたアメリカにおける黒人差別や、生きていく上で社会上でマイノリティによる影響を受けていると言われています。

ここでいくつかのマイノリティをご紹介しましたが、あくまで一つの特徴であってむやみやたらに言葉にせず、相手を尊重した意味で使用したり、言葉を正しい使い方で理解ある会話をしていきたいですね。
正しいマイノリティの使い方
では実際にマイノリティという言葉を会話の中で使う場合には、このような使い方をするのがおすすめです。
他の単語と合わせて使う

会話の中でマイノリティの話題が出た時にまだ使い方や意味がよく分からないという場合は、マイノリティという言葉を単独で使うことはなかなかむずかしいため、最初のうちは他の単語と合わせて使うことが良いでしょう。
マイノリティが会話で使われる例

会議などでこのように発言することで、多くのありきたりの意見より、マイノリティの貴重な意見を取り入れた場合などに使われる会話です。
マイノリティ投資

マイノリティ投資とは、近年注目を集めている株の取引の種類で、株式の過半数を越えない投資を意味しています。 100%出資の方法に比べてマイノリティ投資は抵抗なく始められるとして人気が出てきています。年々多くなる投資の種類を見極めてお得に始める人が増えています。
マイノリティは勘違いされやすい
マイノリティであることで、こんな被害を受けてしまうことがあるので、もしそのような場面を見つけたときは、勘違いだと知っておくことでマイノリティの理解をより深めることができます。
マイノリティに対する誤解

マイノリティは、多くの人から共感を得られにくい環境にありますので、ときに周りから勘違いされやすい場合があります。例えば自分の意見を主張しすぎるせいで、協調性がないと言われたり、性的マイノリティの場合では、たまたま同性が好きだということで、周囲からおかしいと思われたり、なかなか恋人ができなかったり辛い思いをするマイノリティも多いのが現実です。

誤解を受けることが多くなるにつれ、マイノリティの人は、他人と関わりを減らそうとし孤立することになったり、自分からなかなか積極的に発言することができなくなってしまうことがあります。そのような場面に遭遇したときは、自分がマジョリティであってもマイノリティの支えとなってあげたりすることも必要です。

少数派であるマイノリティに対して社会的に差別的な目を向けるより前に、マイノリティの正しい意味をしっかり理解し、自分もどこかの部分ではマイノリティであるということを心に置いておくことで、差別的な発言や言葉の使い方もしなくなり、より良い世の中を作って行くことにつながります。

以上、「マイノリティ」と対義語として「マジョリティ」について解説してきました。それぞれの言葉の正しい意味を知っておくことで、日常的な会話にも困ることなく、さらには見解を深めることで自分の世界を広げることができます。正しい情報を周りに広めるためにも、「マイノリティ」についての理解を深めていきましょう。