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柿の甘い品種・種類で何が人気?見分け方やおいしい食べ方も紹介
秋の代表的な果物と言えば柿が挙げられます。柿にはとにかくたくさんの種類があり、その種類によって味や食感が異なるのです。そこで、人気の柿の種類を紹介するとともに、渋柿と甘柿の見分け方やおすすめの食べ方も併せてチェックしていきましょう。

柿の種類・品種を紹介!
季節ごとのフルーツを食べることは体にも良いとされていて、それを実践している人も多くいます。これからの季節でおすすめのフルーツと言えば柿です。スーパーでもそろそろ店頭に出てくる頃ではないでしょうか。そこで、柿をよりおいしく味わうためにも、柿の種類や品種などのついて詳しく見て行くことにしましょう。
栄養豊富でおいしい柿
柿は秋のフルーツで、食卓に出て来ることもこれから多くなることでしょう。実は柿はフルーツの中でも栄養がとにかく豊富と言われています。特に豊富な栄養素がビタミンCです。ビタミンCと言えばレモンに多く含まれる栄養素と思っている人が多いかもしれませんが、実は柿にはレモンの5倍ほどである約100㎎のビタミンCが含まれている栄養豊富な果物なのです。
1日のビタミンC摂取量100㎎と言われていますから、柿1つ食べれば1日分のビタミンCを摂取出来ることになるのです。柿が赤くなれば医者が青くなる、という言葉があるように、柿を食べることで疲労回復効果や風邪予防の効果が期待出来るとも言われており、とにかく栄養満点の果物であると言えます。
品種は1,000種類以上
おいしいだけでなく栄養素もたっぷり入っている柿ですが、スーパーに並んでいる品種だけでも結構あると思ったことはないでしょうか。柿は大まかに分類すると「完全甘柿」「不完全甘柿」「渋柿」の3つに分けられるのですが、全部で1000種類以上もあると言われているほど種類豊富な果物なのです。

甘柿で人気の種類
柿には甘柿と渋柿とありますが、まずは甘柿で人気の種類からチェックしていきましょう。甘柿にも渋みのもとであるタンニンが含まれているのですが、水に溶けていないため食べても渋みをほとんど感じることはありません。それよりも甘さがしっかりと感じられるのです。甘柿の品種も多いのですが、その中でも特に人気・有名な物を挙げて行きます。
果汁が多い「富有」
良くスーパーなどでも目にするのが人気の柿が富有柿(ふゆうがき)です。富有柿は下記の中で一番多く作られている種類で、岐阜県がその発祥と言われています。柿はコロンとした丸い形というイメージが強いかもしれませんが、富有柿は四角い形をしており、外側の皮には光沢があります。果肉は柔らく、食べると果汁があふれ出すのも人気の理由です。
日本で富有柿が一番作られているのは奈良県なのですが、主に西日本で多く作られています。10月下旬から12月下旬にかけて富有柿が収穫されるので、10月下旬ごろから徐々にスーパーに富有柿が並び始めます。冷蔵貯蔵ののち出荷する柿もあるので、2月頃までは富有柿のシーズンと言っても良いでしょう。
種が少ない「次郎」
甘柿のもう1つの代表的な種類が次郎柿(じろうがき)です。次郎柿も富有柿と同様見た目が四角い形をしていますから、一見富有柿との見た目の区別がつきにくいかもしれません。ただ、つるんとした表面である富有柿に対して、次郎柿は少しボコっとしており、くぼみが付いている場合があるので、そこで見分けがつくでしょう。
次郎柿の特徴は、富有柿とは真逆で固めの食感であるということです。食べるとコリコリっとした食感で、果汁はかなり少なめです。しかし、種がほとんどないのでとても食べやすいです。かつては次郎柿の栽培も盛んだったようなのですが、今では柿の生産量のうちの約3%しか占めておらず、愛知県の豊橋市で主に生産されているということです。
ふっくらとした「松本早生」
もう1つ甘柿で人気なのが松本早生柿(まつもとわせがき)です。松本早生柿は、上で紹介した2つの柿とは異なり、コロンと丸みのある形をしています。サイズも上の2つの夏季に比べると少し小さめです。果肉は比較的柔らかく果汁も多いので、見た目こそ違いますが、味や食感は富有柿にかなり近いため人気が高いのも頷けます。
現在、松本早生柿が生産されているのは奈良県や福岡県です。そして、富有柿よりも1~2週間成熟するのが早いため、当然出荷時期も少し早いです。旬の時期は10月下旬から11月上旬にかけてなのですが、スーパーなどの店頭では10月中旬ごろから見かけるようになるでしょう。

渋柿のおもな種類
次に渋柿について見て行きましょう。先ほど甘柿にも渋柿にも苦み成分であるタンニンが含まれている書きましたが、渋柿の場合はそのタンニンが水に溶けるため口に入れた時に溶け出して苦みを感じます。渋柿でも渋みの処理をすれば美味しく食べることが出来るようになります。そんな渋柿の種類について見てみましょう。
濃いオレンジ色をした「刀根早生」
刀根早生柿(とねわせがき)は四角い形をした柿で、中には種が無いのが特徴です。果肉が比較的柔らかめで程よい食感を楽しめ、また甘みをかなり強く感じられる品種です。渋柿なので、柿渋を抜いてから出荷されるということです。刀根早生柿の主な生産地は和歌山県で、全国の生産量の約半分を占めています。旬は9月下旬から10月上旬にかけてです。
絶妙な食感が魅力の「平核無」
平核無柿(ひらたねなしがき)は種がないのが特徴の渋柿です。柿はおいしいですが、種があることで食べにくかったり切りにくかったりすることがありますが、種が無ければそのわずらわしさからも解放されますし、子供でも安心して食べられます。形は四角く、果汁たっぷりで甘さもかなり強いので、とても食べやすくおいしいと感じられる柿です。
平核無柿は山形や和歌山でで全国の生産量の半数を占めています。それに次いで生産しているのが新潟県で、おけさ柿という名前で知られている柿です。平核無柿は11月頃まで収穫されるので、旬は10月下旬から12月上旬にかけてになります。
やや小さめの「八秋」
八秋(はっしゅう)も渋柿の1つで、葉も果実も小さめであるのが特徴です。大きさは小さいのですが、種はしっかり入っているので少々食べにくさを感じるかもしれません。平核無柿などの他の渋柿と同様に渋みを抜くことは簡単です。栽培地域は平核無柿が栽培されているところが一番適していると言われています。
甘柿と渋柿を見分け方をチェック
柿には甘柿と渋柿とがあるわけですが、柿の見た目だけではその見分け方が難しいと思われているのではないでしょうか。そこで、甘柿か渋柿の見分け方のコツを押さえておきましょう。意外とちょっとしたところに注目するだけで上手な見分け方が出来ます。
果肉の斑点に注目
甘柿と渋柿との見分け方のポイントとしては、切った時の果肉の斑点です。甘柿には黒くて小さな斑点が果肉についています。この斑点こそが苦みの元であるタンニンなのです。水に溶けださずに固まったものが、黒く斑点となって果肉に残っているのです。
形に注目
柿を切らない見分け方もあります。それが柿の形です。甘柿は重みがあって四角い形をしていますが、それに対して渋柿は柿の先の方が少し尖った形をしている物が多いということです。柿を切れば確実にどちらかを見分けられますが、まずはこの形による見分け方をしてみましょう。
苦味が強い場合は渋抜きしよう
渋柿であった場合、それを食べるには渋抜きをする必要があります。自宅で簡単に渋抜きをする方法は、いくつかあるのですが、おすすめは焼酎を使った渋抜き方法です。柿の下手部分に焼酎を2~3秒つけたらそのままポリ袋に入れて空気を抜いて口を閉じます。あとは2週間ほど待てば渋が抜けて食べられるようになります。
柿のおいしいアレンジ方法
柿の食べ方としてはそのまま食べるという人が圧倒的に多いでしょう。しかし、柿は色んな食べ方を楽しめるフルーツもあるのです。そこで、おすすめのアレンジ方法を見て行きましょう。食べ方を工夫するだけで、飽きずに食べることが出来るはずです。
シャーベットにする
まずおすすめなのがシャーベット状にして食べる方法です。柿はとにかく栄養が豊富で旬の時期には毎日1つは食べたいと思いますが、沢山買って食べきれずに痛めてしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。そんな時は柿をシャーベットにしてしまいましょう。洗って冷凍しておくだけです。食べる時は少し常温に戻してから食べるとおいしいです。
サラダに加える
柿をサラダにあえて食べるアレンジもおいしいです。柿は酢やマヨネーズともよく合うので、サラダの具材に入れるのがおすすめなのです。好きな野菜に柿をプラスしてドレッシングをかけるだけでも十分おいしいです。コリコリ食感の柿の方が、より野菜との相性が良いでしょう。
おいしさキープ!柿の保存方法
最後に柿の上手な保存方法についても見て行きましょう。柿を買った後、すぐに数日ですぐに柔らかくなってしまったという経験は誰でもあるはずです。柿がエチレンガスを出すことによって柔らかくなるためです。柔らかくなるのを防ぐためにはどのようにしたら良いのでしょうか。
ヘタを湿らせて保管する
柿はヘタの部分で呼吸をしているので、そこからどんどん水分が蒸発していってしまいます。ですから、柿のヘタ部分に湿らせたティッシュなどをあてて下にして置いておけば、それだけで柿の食感がキープされます。この1手間をするだけで、2~3週間は食感が持つということです。
冷凍する
先ほど、柿のシャーベットのところでも紹介しましたが、柿を冷凍するのも保存方法の1つです。柿をそのまま冷凍庫に入れて凍らせても良いですし、あらかじめ皮をむいてくし切りにして冷凍するのも良いです。ただし、食べる時には食感は変わってくるので、ちょっと違った食べ方をしたいという時におすすめです。

さまざまな種類の柿を楽しもう
これから旬を迎える柿には、驚くほどの品種があることが分かりました。柿の種類によって食感や甘さが違いますから、スーパーなどで数種類買ってきて食べ比べをするのも楽しいでしょう。秋の味覚である柿を堪能しましょう!