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猫の発情期の特徴は?オスとメスの行動の違いや対策方法も紹介!
今や犬よりも人気で多数のCMに登場している猫。本記事は、発情期を迎えた猫の特徴やオスとメスの行動の違い、発情期の対策方法や注意点などをまとめました。猫のストレス発散方法も併せてチェックし、愛猫と仲良く・穏やかに生活しましょう。

猫の発情期の特徴を対策を解説
去勢していない猫を飼っていると、普段とは違う鳴き声を発したり大きな声で鳴き続けたり、トイレ以外の場所で粗相をしたりと、年に数回いつもと行動が違う愛猫の姿を見る事がありますよね。他にも、野良猫が大きな声で鳴いている場面に遭遇した事があるという方も多いはず。猫が上記のような行動をしている時は「発情期」である可能性が高くなっています。
猫には発情期がある事を知っていても、具体的に発情期がいつ訪れて期間がどのくらいなのか、発情期を迎えた猫との接し方や注意点、発情期の対策方法や注意点などが分からず困っている、という飼い主さんも多いですよね。そこで、本記事では猫の発情期を徹底解説していきます。
オスとメスの行動の違いもチェック
発情期を迎えた猫は同じ行動を取るというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実はオス猫とメス猫で若干行動が異なります。本記事では、オス猫とメス猫の行動の違いも詳しく解説しますので、発情期を迎えた猫の特徴や対策方法を知って、愛猫との生活の質を更に向上させていきましょう。
季節によって発情するのはメス猫だけ!
猫は季節によって発情期を迎える生き物ですが、全ての猫がいっせいに発情期を迎えるわけではありません。まず、季節によって発情期を迎えるのはメス猫だけです。一方のオス猫は季節に関係なく、発情期を迎えているメス猫に誘発されて自身も発情期を迎えます。そういった基本を押さえた上で、オス猫とメス猫の行動や特徴の違いを見ていきましょう。
メスの発情期によくある行動
発情期を迎えたメス猫は、”いつもとは違う声で鳴き続ける・背中を地面に付けた状態で体をくねらせる・お尻を高く突き上げる体勢になる・トイレ以外の場所で粗相をする・オス猫のようにスプレー状にオシッコをふりまく”といった行動を取ります。発情期を迎えた愛猫がお尻を突き上げる体勢を取っているのを見て驚く方も多いようです。
オスの発情期によくある行動
メス猫によって誘発されて発情期を迎えたオス猫は、”外に出たがる・大きな声で鳴く・普段より落ち着きがなくなる・攻撃的になる・スプレー状にオシッコをふりまく”といった行動を取ります。オス猫が縄張りを主張する為、メス猫を呼び寄せる為にスプレー状にオシッコをすることを”スプレー行為”などと呼びます。
猫の発情期のタイミングと期間
メス猫は季節によって発情期を迎えるという特徴を持っている事が分かりましたが、発情期がやってくるのはどの季節なのでしょうか。他に、猫の発情期はどのくらいの期間続くのかも気になるところ。発情期を迎えたメス猫とオス猫の行動の特徴を押さえたところで、続いては発情期のタイミングと期間について詳しく見ていきましょう。
発情期のピークは春と夏
猫の発情期と聞くと、春を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、春はメス猫が発情期を迎える季節ですが、実は1月~8月が猫の繁殖時期であり、1年のうちに2~3回ほど発情期を迎えると言われています。猫は日照時間が長くなると発情期を迎えるという特徴があるので、日照時間が長い春と夏が発情期のピークです。
期間は14~21日前後
メス猫の発情期には「発情前期」「発情期」「発情後期」というサイクルがあり、その時期によって行動が異なります。まず「発情期前」のメス猫は、オス猫との交尾をまだ受け入れようとはしません。この期間のメス猫は普段より活発になりますが、食欲の低下が顕著になります。
また、発情期前の期間中のメス猫はトイレの回数が増加したり、飼い主さんに甘える素振りをいつも以上に見せてくることも。そんな発情期前の長さは個体差がありますが、一般的に1日~5日ほど続くと言われています。そして、発情期前の期間が終了すると「発情期」がやってきます。
発情期を迎えた猫は先述したような特徴的な行動を取るほか、メス猫はオス猫に対して優しい態度を取る事も。発情期の期間は14~21日前後で、発情前期は交尾を受け入れなかったメス猫がオス猫を受け入れるようになります。
発情期の期間中にオス猫と交尾をしたメス猫が妊娠する確立は90%前後で、交尾が終わってから約50時間後に排卵が起き、卵胞が退化していきます。そうなると発情期が終了し、「発情後期」へと移っていきます。発情後期の期間は約1日で、発情期が終わったメス猫はオスに対する興味が失われ、交尾を受け入れなくなります。
最初の発情期は生後約6~7ヶ月ごろ
猫が生まれて初めての発情期は、体が大きくなってくる生後約6~7ヶ月頃と言われています。しかし、性の成熟が遅めと言われている長毛種の猫だと、生後12~18ヶ月頃に初めての発情期がやってくる事も。初めての発情期がやってくるタイミングは個体差が大きく、同じ種類の猫でも同じタイミングで初めての発情期がやってくるとは限りません。
また、オス猫よりもメス猫の方が初めての発情期を迎えるのが早いとされており、中には生後4ヶ月頃に発情期を迎えるケースもあるようです。一方のオス猫は生後3ヶ月頃から性に目覚め始め、生後5~6ヶ月頃になると体が更に成長し、メス猫と交尾をして繁殖が出来るようになり、生後9~12ヶ月頃に本格的な発情期を迎えます。
猫の発情期の対策方法
発情期を迎えた猫は大きな声で鳴いたりスプレー行為をしたりと、その期間中だけは別の猫になってしまったかのような行動を取る事もありますので、発情期中の愛猫の行動に頭を抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。そんな時は、発情期の特徴を知った上で対策を取り入れる事を考えてみましょう。それでは早速、発情期の猫の対策方法をご紹介します。
避妊・去勢手術を行う
最も効果的な対策方法は、メス猫ならば避妊手術を、オス猫ならば去勢手術をする事です。メス猫の避妊手術とは卵巣と子宮の全摘出で、オス猫の去勢手術とは睾丸の摘出を指します。中には”人間の勝手で健康体の猫に手術を受けさせるのは可哀想”と考え、避妊・去勢手術を躊躇している方も居るかもしれません。
しかし、発情期を迎えているのに交尾が出来ない猫は、かなりのストレスを感じているとも言われています。人間と同じく、猫もストレスから病気になってしまう事もありますので、飼い主だけでなく猫自身も穏やかに生活できるよう、避妊・去勢手術という対策を検討してみてはいかがでしょうか。
更に、避妊・去勢手術をする事によってメス猫は乳腺腫瘍の病気を予防出来るようになるので、避妊手術をしないよりも寿命が長くなる可能性があります。オス猫の場合は去勢手術をする事で、スプレー行為を抑える事が出来るほか、発情期の時の攻撃的な行動も見られないケースが多いようです。
避妊・去勢手術は動物病院であらかじめ検査を受け、全身麻酔をした上で手術をしますので、愛猫の健康面への負担を過度に心配する必要はありません。避妊手術は生後数ヶ月~1歳までの間に行う事が多いので、愛猫と暮らし始めて少し経ったら病院に行き、先生に手術を相談してみても良いでしょう。愛猫の手術は、安心・信頼出来る先生にお願いする事も大切です。
異性と猫との接触を避ける
猫の避妊・去勢手術が最も効果的な対策方法だと分かっていても、なかなか手術に踏み切れない飼い主さんも多いはず。そんな方におすすめしたい対策が、”愛猫と異性の猫を接触させない”という方法です。愛猫を外に出さないのは勿論のこと、室内から外に居る異性の猫が見えないようにする事も大切です。
しかし、異性と交流が無い・交尾が出来ない猫は強いストレスを感じてしまう恐れがあるので、避妊・去勢手術をしていない愛猫が発情期を迎えた時は、ストレスを発散させる為・気を紛らわす為にも飼い主さんがいつも以上に遊んであげましょう。
模擬交尾をして刺激を与える
先述したように、猫は交尾をして排卵が起きると発情期が終わる生き物ですので、模擬交尾をして刺激を与える方法も発情期対策として有効だと言われています。模擬交尾に必要な物は綿棒だけです。やり方は綿棒を猫の陰部に入れて刺激を与えるだけですが、この方法は専門家の中でも賛否両論で推奨されている訳ではありません。
更に、綿棒を使用する模擬交尾を素人が行うと猫の陰部を傷つけてしまう可能性が高いので、興味本位で行う事は絶対に止めて下さい。避妊・去勢手術ではなく模擬交尾を検討している時は、病院で先生の考えを聞くようにしましょう。
発情期の猫の注意点
ここまで発情期を迎えた猫の特徴や行動、対策方法などを見て来ましたが、愛猫と暮らす上で注意した方が良いポイントも幾つかあります。発情期中の対策方法と併せて注意点もチェックし、なるべく愛猫と穏やかな生活を送りましょう。
無理に泣き止ませるのはNG
猫は夜行性なので、夜遅くに大きな声で鳴かれてしまうと飼い主さんが寝不足になるだけでなく、ご近所に迷惑を掛けていないか心配になってしまいますよね。鳴き続ける愛猫の姿を見て、なんとか鳴き止ませようと努力した事がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、発情期中の猫が鳴くのは本能なので、無理に鳴き止ませようとすると猫が強いストレスを感じてしまいます。大きな声で鳴く発情期中の猫に対しマタタビを与える対策方法もあるようですが、マタタビは過剰に摂取すると呼吸困難に陥ってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、睡眠導入剤を愛猫に飲ませる対策方法を紹介しているサイトもあるようですが、猫の体に強い負担が掛かってしまいますので、なるべく飲ませない方が良いでしょう。猫と一緒に暮らすということは、猫の発情期の特徴をしっかり理解する必要があります。どうしても発情期中の鳴き声に我慢出来ない場合は、避妊・去勢手術を検討しましょう。
発情中は脱走のリスクが高くなる
発情期を迎えた猫は本能的に異性を求めるので、どうしても外に興味を持つようになります。その結果、飼い主さんが開けたドアや窓の隙間から外に飛び出してしまい、脱走してしまうことも。完全室内飼いの猫が脱走すると交通事故に遭う可能性が高く、とても危険です。
その他にも外猫と喧嘩をして怪我を負ってしまったり、他の猫から病気を移されてしまう事もあります。また、避妊手術をしていないメス猫が発情期中に脱走してしまうと、たった1回の脱走で妊娠してしまう可能性も高いのです。このような望まない結果を避ける為に、愛猫が発情期中はドアをすぐ閉めるなど脱走に注意しましょう。
長引いたり様子がおかしい場合は病院へ
先述したように、発情期前後の猫は食欲が低下するという特徴があります。しかし、その状態が数日間続いた場合は発情期に関係なく、どこか体の調子が悪い可能性がありますので、長引いたり様子がおかしい場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。
猫のストレスを発散させる方法
発情期の期間中に交尾出来ないと、猫は強いストレスを感じてしまいます。猫はストレスを感じると”体の具合が悪くなる・トイレ以外で粗相をする・グルーミングの回数が増加する・食欲が低下する”といった様子を見せる事があります。
また、ストレスが原因で心因性脱毛や突発性膀胱炎といった病気を引き起こしてしまう事も。愛猫と穏やかな生活を送るには、適度にストレスを発散させてあげる事も重要です。それでは早速、猫のストレスを発散させる方法を見ていきましょう。
猫が落ち着ける場所を作ってあげる
猫は環境が変わってもストレスを感じます。愛猫がストレスを感じてるなと思った時は、愛猫がよく居る場所に居場所を作ってあげましょう。段ボールやクッションなど、愛猫が好きな物を好きな場所に置いてあげると、きっと今よりもリラックス出来るはず。
おもちゃで遊んであげる
猫のストレス発散方法で一番有効なのは、おもちゃで遊んであげる事です。猫は古くから狩をしてきた生き物なので、”獲物を捕りたい”という本能を持っています。そこで、ねずみや虫などのおもちゃを使い、愛猫に狩の体験をさせましょう。おもちゃを追う事で、自然とストレスが発散出来るはずです。
大好きなおやつをあげる
もう1つのストレス発散方法は、愛猫に大好きなおやつをあげる事です。最近は猫のおやつも栄養バランスにこだわったものが多くなっています。おやつを与えすぎると健康を害してしまう事もありますが、週に1・2回程度おやつをあげると愛猫のストレスが和らぐことでしょう。

猫の発情期を理解しよう
今回は、猫の発情期の特徴やオス猫とメス猫の違い、発情期の対策方法と注意点、猫のストレス発散方法などを一挙ご紹介しました。昔は外で飼われる事が多かった猫ですが、現在は室内飼いが推奨されています。
特に、避妊手術をしていないメス猫を外に出すと望まない妊娠をしてしまう可能性が高いので、発情期中は脱走に注意しましょう。発情期に大きな声で鳴くのを防ぎたい場合は、避妊・去勢手術をするのが最も効果的です。猫の発情期を理解して、愛猫と穏やかな生活を送って下さい。