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【エイプリルフール】始まりは民衆の抗議だった?由来や日本での変遷を紹介
日本では「四月馬鹿」として広まっていったエイプリルフール。嘘をついたり、騙されたりしてエイプリルフールを楽しむ方は多いですが、由来や意味を知っている方は少ないかもしれません。こちらでは、エイプリルフールの由来や日本での変遷をご紹介します。

エイプリルフールの由来を紹介

どんな噓をつこうかワクワクするエイプリルフール。嘘をついて相手を驚かしたり、反対に驚かされるのはとても楽しいです。こちらでは、エイプリルフールの由来についてご紹介します。由来を豆知識として知っておくと、よりエイプリルフールを楽しめるかもしれません。
日本では四月馬鹿ともいう

4月1日はエイプリルフールです。この日は罪のない噓をついても許されると言われています。エイプリルフールは元々は欧米の風習ですが、現在では世界中の人々が楽しんでいる日です。各国でエイプリルフールの呼び名は様々で、日本では「四月馬鹿」と言われていました。エイプリルフールに噓で騙された馬鹿者という意味が込められています。

エイプリルフールは記念日を指す言葉と思われがちですが、正しくは騙された人を「April fool」と言います。エイプリルフールの日を意味するのは「April fool’s day」です。ちなみに漢語では「万愚節」「愚人節」と表します。

エイプリルフールの由来の有力説

欧米からやってきたエイプリルフールの起源はハッキリとしていません。エイプリルフールの由来は諸説あり、現在のエイプリルフールからは想像できないような内容のこともあります。こちらでは、エイプリルフールの由来の中でも有力とされている説をご紹介します。
「噓の新年」を由来とする説

エイプリルフールの由来は、16世紀のフランスで国民が起こした国王への抗議という説があります。16世紀のヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していました。1564年になると、フランス王が新年を1月1日とする暦を採用し、これに反発した国民が4月1日を「噓の新年」として騒ぎを起こしました。

国民の反発に憤慨したフランス王は「噓の新年」を祝う国民を次々に処刑したそうです。この事件に国民は大変なショックを受けました。国民はフランス王への抗議とこの事件を忘れないために「噓の新年」を祝い続けたそうです。

また、処刑された国民への追悼の意味で、1日中嘘をついてはいけない「噓の噓の新年」という日も生まれました。「噓の噓の新年」は1564年から13年ごとに行われていましたが、エイプリルフールが世界中に広まる中で「噓の噓の新年」の風習は衰退していったようです。
「ノアの箱舟」を由来とする説

旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」がエイプリルフールの由来とされる説もあります。旧約聖書の中で主人公であるノアが陸地を探すためにハトを放つのですが、ハトは有力な情報を何も得ずに戻ってきてしまいます。その日が4月1日であり、ノアが行ったことが無駄足だったことから「無駄なことをする日」とされ、転じて「噓をついてもいい日」として広まったという説です。
サバを由来とする説

フランスではエイプリルフールを「Poisson d'avril」と呼びます。「Poisson d'avril」とは「四月の魚」という意味があり、サバのことを指しています。4月はサバが大量に釣れる季節で、すぐ釣られてしまうサバを「馬鹿な魚」と呼ぶそうです。釣られる=騙されるなどの意味が転じて、エイプリルフールという日になったのではないかと言われています。
インドの修業を由来とする説

昔のインドでは、修行僧が3月25日から3月31日までの間に過酷な座禅の修行を行うのが習慣でした。修行を終えた僧たちは4月1日には俗世に戻ってきます。俗世には苦悩が多く、今までの修行が無駄になると考えられていました。

修行の無駄を揶揄して4月1日を寺では「揶揄節」とし、修行を終えた僧をからかう行事を行っていたそうです。この風習がヨーロッパに伝わり、エイプリルフールが生まれたのではないかと言われています。
古代ローマの遊びを由来とする説

古代ローマの遊びがエイプリルフールの由来という説もあります。古代ローマでは主人と奴隷が入れ替わったり、道化師が聖職者の服装をしたり、それぞれの立場を入れ替えて遊ぶことがあったようです。その遊びが4月1日に行われていたため、噓をつくエイプリルフールが生まれたのではないかと言われています。
エイプリルフールの日本での扱い

エイプリルフールの意味や由来が分かったところで、次はエイプリルフールの日本での扱いを見ていきましょう。エイプリルフールが日本にやってきた時期やエイプリルフールで嘘をつくときのルールをご紹介します。
エイプリルフールは大正時代から

日本のエイプリルフールの始まりは大正時代です。「April fool」を直訳した「四月馬鹿」として広がっていったそうです。大正時代のエイプリルフールでは、噓の加減が分からず、スケールの大きな噓をつかれて翻弄される人も多かったようです。
4月1日は「不義理の日」だった

大正時代に「四月馬鹿」として広まったエイプリルフールですが、元々は全く違う日として日本人に認識されていました。4月1日は「不義理の日」という中国から伝わった風習を行う日だったのです。

「不義理の日」とは義理を欠いている人に手紙を出したり、挨拶しに行ったりすることで、ご無沙汰になっていたことを詫びる日とされていました。「四月馬鹿」とは全く趣の違う日として過ごしていたようです。
日本でのルールは決まっていない

「四月馬鹿」として日本に広まったエイプリルフールには、明確なルールがありません。しかし、最近ではSNSなどでエイプリルフールのルールが主張され始めています。話題になったルールは「噓をつくのは午前中のみ」「相手に損害を与えるのはNG」「相手を傷つける噓はNG」「騙されても怒らない」「エイプリルフールの噓は笑って許す」などです。

どれもエイプリルフールという日を楽しむためのルールです。企業がエイプリルフールを利用して噓のツイートをすることがありますが、どの噓もユーモアに溢れています。日本のエイプリルフールに公式のルールがないとしても、笑顔になれるような噓をつくのがいいでしょう。
「嘘をつくのは午前だけ」の意味

エイプリルフールには「嘘をつくのは午前だけ」というルールがあります。この午前中ルールはイギリスから広まったと言われています。5月29日は「オークアップルデー」というイギリスの王政復古の記念日です。

この日の午前中に国王への忠誠の証としてオークアップルの実を身に付けます。この午前中に行うという風習がエイプリルフールにも流用され、「噓をつくのは午前だけ」というルールになったのではないかと言われています。日本でもエイプリルフールの午前中ルールがSNSで拡散されましたが、定着はしていません。
エイプリルフールで定番の嘘

エイプリルフールは噓をつくのも、噓をつかれるのも楽しい日。ネタばらしをしたときに、お互いに笑顔になれるような噓をつくのが理想のエイプリルフールです。こちらでは、エイプリルフールの定番の嘘をご紹介します。
恋人ができた

エイプリルフールの定番の噓は「恋人ができた」です。誰も傷つけることのない噓であり、ネタばらしをしたときにも笑いが起きます。恋人の情報、出会い、告白のシチュエーションなどを詳しく考えておくと、リアリティーが出て面白いかもしれません。
転勤や留学が決まった

転勤や留学が決まったと嘘をつくのもおすすめです。4月は会社や学校の年度始めなので、転勤や留学を用いた噓はリアリティーがあります。ただし、噓のネタばらしは早めに行った方がいいでしょう。噓を信じて送別会などを企画されてしまうと気まずい思いをします。
エイプリルフールは廃止された

エイプリルフールに嘘をつかれたときに「エイプリルフールは廃止された」と嘘をつくのも面白いです。「エイプリルフールによる混乱を考慮して正式に廃止になったらしいよ」などもっともらしい理由をつけて伝えれば、騙されるかもしれません。相手の「え?」という顔を見るだけでも楽しいです。
整形したんだ

メールで噓をつくなら「整形したんだ」という噓も面白いです。自分の写真を撮って、アプリで少し加工して添付すれば騙される人もいるかもしれません。相手が騙されなくても、エイプリルフールにちなんだ面白い噓になるのでおすすめです。
エイプリルフールについた噓は叶わない

エイプリルフールにバレバレな嘘をつかれたら「エイプリルフールについた噓は叶わないよ」とお返しをするのもおすすめです。「○○と付き合ったんだ」「芸能人の○○に会った」など、相手の願いが込められている噓をつかれたときにお返しすると効果があります。
エイプリルフールはマナーを守って楽しもう

「四月馬鹿」として日本にやってきたエイプリルフールの由来や意味をご紹介しました。エイプリルフールの由来は諸説ありますが、現在のエイプリルフールは楽しい噓でお互いに笑顔になる日です。人を傷つけない噓、ユーモアのある噓をついてエイプリルフールを楽しみましょう。