愛犬が歯周病かもしれない時は?症状の見分け方・治療の方法を解説

犬が歯周病になったときの症状や予防策、治療方法についてまとめました。犬は歯周病になりやすいと言われているので、日頃から歯磨きケアをすることが大切です。歯周病はほかの疾患の原因になる場合もあるため、歯磨きケアをして予防していきましょう。

愛犬が歯周病かもしれない時は?症状の見分け方・治療の方法を解説

目次

  1. 犬の歯周病の症状・治療法を紹介
  2. 犬の歯周病①症状
  3. 犬の歯周病②治療法
  4. 犬の歯周病③予防法
  5. 健康診断で愛犬の歯周病を早期発見!
  6. 犬の歯周病を見分けて適切な治療をしよう

犬の歯周病の症状・治療法を紹介

犬の健康を管理する上で重要なポイントになるのが、歯周病です。普段の体調ケアをきちんと行っているつもりでも、意外と犬の口腔ケアは見逃しがちなのではないでしょうか。一般的に、犬は虫歯よりも歯周病にかかりやすいと言われています。日頃から歯磨きケアをしていないと、歯周病のリスクが高まるので注意が必要です。

本記事では、犬が歯周病になったときの症状や治療方法、予防策についてまとめました。犬が歯周病になった場合は、早めに発見して適切な治療をすることが重要です。歯周病がひどくならないように予防対策も立てながら、口腔ケアを行っていくようにしてください。

原因は「歯周に細菌が入ること」

歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌が歯周ポケットに入ることによって発症すると言われています。歯と歯肉の間や、歯と歯の間にたまった食べカスや唾液の成分が固まり、歯垢となります。歯石が溜まって固まることで、歯石が発生。歯垢や歯石には細菌が含まれており、歯垢が増えれば増えるほど、歯周に細菌が入り込みやすくなるのが問題です。

細菌が歯周に入り込むと、歯肉に炎症が起きます。歯の状態が悪くなるだけでなく、歯肉の血管を通って細菌が内臓に達し、病気の原因になる可能性もあるため注意が必要です。歯周病は歯や歯肉に悪影響を与えるだけでなく、体全体の疾患の原因にもなり得るものと言われています。口腔ケアを怠っていると歯周病のリスクが高まるため、気をつけてください。

シニア期は特に注意

歯周病は、年齢を重ねれば重ねるほどかかりやすくなると言われています。日頃から歯磨きケアをしていない犬は、年齢を経て口内の歯石や歯垢が溜まり、細菌が歯周に入り込みやすくなるのが特徴です。高齢犬は免疫力も落ちているので、細菌による影響を防ぎきれず、歯周病になりやすいとも考えられています。シニア犬を飼っている場合は、特に注意をしてください。

どんなに普段の食事や運動量に気をつけていたとしても、口腔ケアができていないとさまざまな部分に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。シニア犬が歯周病になると、治療も難しいので早めの対策が必要不可欠です。いつまでも元気でいられるように、犬の口腔ケアは欠かさないようにすることが飼い主の務めと言えます。歯周病について学び、犬の健康を守りましょう。

犬の歯周病①症状

まずは、歯周病の症状からチェックしていきましょう。犬が歯周病にかかると、さまざまな症状が出てくるようになります。症状を見逃さないようにすれば、早期発見・治療が可能。犬に何かしらの異変を感じたら、歯周病になっていないか口腔の確認を行うようにするのがおすすめです。基本的な歯周病の症状をご紹介するので、参考にしてみてください。

口臭が気になる

犬は、歯周病になると口臭がキツくなります。口腔内で細菌が繁殖しているため、においが出やすくなるのが原因です。揮発性硫黄化合物が原因となる卵が腐ったようなにおいから始まり、メチルメルカプタンが原因のキャベツが腐ったようなにおいへと移行していきます。歯周病が進むと、モノアミン類が発生し、魚が腐ったようなにおいになるので注意が必要です。

さらに歯周病の症状が悪化すると、有機酸によってツンと鼻にくる刺激臭がするようになります。歯周病の進行度合いによって口臭の加減も変わってくるので、少しでも口臭を感じたら犬の口の中を確認するようにしてください。

歯茎が赤く腫れている

歯周病は、歯肉に細菌が入り込み、炎症が起きている状態です。そのため、歯茎が赤く腫れるのも代表的な症状と言えます。もし、口臭が気になるのであれば犬の歯茎を確認してみましょう。通常はきれいなピンク色をしていますが、歯周病になると赤くはれた状態になります。また、歯周病によって歯茎から出血が起きていることもあるので要チェックです。

くしゃみが多い

歯周病が進行すると、細菌は歯根部の方まで侵食していきます。歯根部を侵食した後、鼻腔にまで達し、炎症を引き起こすのが歯周病の特徴です。鼻腔に炎症が起きることで、犬は頻繁にくしゃみをするようになります。突発的なくしゃみなら問題ありませんが、常にくしゃみをするようであれば注意が必要です。くしゃみだけでなく、鼻血や鼻水が出てくる場合も多くあります。

食べ方がおかしい

歯周病になると歯肉に炎症が起きて、痛みを伴うことがあります。こうした症状が出てくると、食事をするときにおかしな動きをするようになるのも特徴です。歯に何かが引っかかっているように、くちゃくちゃとした口の動きを見せることがあります。また、痛みが進むとドライフードを噛めなくなったり、食事を嫌がるようにもなるので気をつけてください。

歯周病の症状としては、よだれの過剰分泌も挙げられます。食事をしているときに特によだれが出やすくなるので、よだれが出ていないかどうかも確認するのがおすすめです。犬の口の周りがよだれで濡れていないか、チェックしていきましょう。

顎・頬の異常

歯周病が進行してくると、細菌が下顎にまで侵食していきます。下顎が徐々に脆くなり、溶けていくのも歯周病の症状の1つです。骨が溶けた結果、下顎が骨折してしまいます。食べるときに犬が痛がったり、口に触れるのを避けるようになったら、下顎にも症状が進んでいるのかもしれません。かなり歯周病が悪化している状態なため、早期の治療が必要です。

歯周病の原因となる細菌が歯根部に進入し、目の周辺にも繁殖していくと、頬にも異常が洗われるようになります。細菌によって炎症が起こり、頬や目の下が腫れるようになるため注意をしてください。歯周病の症状が進行することで、頬の周辺の骨・皮膚が溶けて膿が出てくることもあります。このような状態になる前に治療をすることが大切です。

犬の歯周病②治療法

犬に歯周病の兆候が見られたら、早期の治療が必要になります。きちんと治療をしていけば歯周病の症状を抑えることができるので、飼い主が意識して対策を立てるようにしてください。犬が歯周病になった場合の治療方法についてご紹介します。適切な治療を行い、歯周病が悪化しないようにしていきましょう。

症状があればすぐに病院へ

もし、犬に歯周病の症状が現れたらすぐに動物病院へ行くのがおすすめです。口臭や歯肉の腫れ・赤みが見られたら歯周病である可能性が高くなるので、動物病院に相談してください。前述したように、歯周病は口腔だけでなく鼻腔や下顎、頬、内臓などさまざまな部位に悪影響を及ぼす病気です。早めに治療を行わないと、他の部分にも疾患が現れてしまうので注意しましょう。

基本は歯垢・歯石の除去

歯周病の基本的な治療は、歯垢や歯石の除去です。歯周病の原因となる細菌を含んだ歯垢・歯石を取り除くことで歯周病の進行を防ぐのが目的となります。歯垢や歯石を取り除く場合は、全身麻酔を行うことがほとんどです。1日もあれば治療が完了し、家に戻ることができます。歯石や歯垢を取り除けば、歯肉の腫れ・赤みも軽減するはずです。

歯垢や歯石を取ってもらったとしても、口腔ケアを怠っていたらまた歯周病の症状が出てきてしまいます。歯周病は、一度かかると完治することはないと言われているため、口腔環境が悪くなれば症状がぶり返すのが注意点です。動物病院で歯垢・歯石を取ってもらったら、口腔ケアを怠らないように意識するようにしてください。

重症な場合は抜歯や手術も

歯周病が重症化すると、歯を支えている歯肉が衰えてしまいます。抜本的な治療をするために、抜歯をする必要が出てくる可能性も考慮に入れておきましょう。歯石や歯垢がたまった抜歯を行うことで、細菌が繁殖するのを防いでいきます。歯周病の細菌が鼻腔や目の周り、顎、内臓などに達して悪影響を与えている場合は、それに合わせて手術を行うこともあります。

このように、歯周病の治療にはさまざまな方法があります。しかし、これらの治療は全て全身麻酔が必要です。年齢が若ければ問題ありませんが、高齢の犬は全身麻酔はNGな場合もあります。麻酔は体に負担がかかり、命の危険があるからです。高齢犬が歯周病にかかると、さまざまなリスクが高まることを考えて、ケアを怠らないようにすることが大切になります。

犬の歯周病③予防法

歯周病にならないためには、日頃から予防対策をしていくことが重要になります。口腔ケアを行っていれば、歯周病のリスクが減り、予防をすることができるので意識して行っていきましょう。歯周病を予防するためのポイントについてまとめました。愛犬が歯周病にならないように、必要な予防策を取り入れてみてください。

毎日の歯磨きでケアしよう

歯周病予防として効果的なのが、歯磨きです。犬は歯磨きをする必要がないと思われがちですが、歯周病を防ぐためには欠かすことができないケアになります。犬用の歯ブラシも販売されているので、歯磨きに活用してみてください。歯磨きを嫌がる場合は、口に触れるのに慣れさせることから始めるのがポイントです。

口に触れても大丈夫になったら、指を口の中に入れて歯をこすります。続いて、歯磨きシートを指に巻きつけて歯をこすってください。歯磨きシートにも慣れてきたら、歯ブラシを見せます。歯ブラシで口に触れ、抵抗を見せなくなったら口の中に入れていきましょう。最初は犬に歯ブラシを噛ませるだけでも大丈夫です。慣れてきたら歯を1本ずつ磨くようにします。

歯磨きがしやすいように、子犬の頃から歯ブラシに慣れさせておくのもおすすめの方法です。小さい頃に歯ブラシに慣れていれば、成犬になった後も抵抗感がなくなります。歯周病を予防するためにも、歯磨きを毎日行い、口腔ケアを心がけるようにしてください。

デンタル製品を活用しよう

「なかなか歯ブラシで歯磨きができない」という方も多いかもしれません。そのようなときは、犬用のデンタル製品を利用して歯周病を予防するのがおすすめです。液体歯磨きなら、いつもの飲み水に入れて飲ませるだけで歯磨き効果を期待することができます。また、歯磨きガムを使って歯垢を取り除くようにするのも効果的な方法です。

歯垢を取りやすいドライフードも販売されているので、犬の口腔ケアに取り入れてみてください。歯磨き効果のあるドライフードを活用することで、歯垢がたまりにくくなります。歯磨きが難しいときも、このようなデンタル製品を使えば、犬の歯の健康を守れるはずです。

ドライマウス対策をしよう

犬は、6歳以上になると唾液の分泌量が減り、ドライマウスになりやすいと言われています。唾液は歯周病の原因となる細菌を防ぐための成分が多く含まれているため、ドライマウスになると歯周病のリスクが高まります。6歳以上になったら、ドライマウス対策をすることもおすすめです。

唾液の分泌を促すジェルやスプレーを使って、口腔ケアをすると効果的です。定期的に唾液の分泌を促進することで、ドライマウスの状態を改善しやすくなります。このように、普段からデンタルケアに気を使っていれば歯周病を予防できるので、怠らないようにしましょう。

健康診断で愛犬の歯周病を早期発見!

犬を歯周病にさせないためには、健康診断を定期的に行うことも大切です。専門家に見てもらうことによって、飼い主が気づかなかった歯周病の兆候を発見することができるかもしれません。犬の健康診断についても、詳しくチェックしていきましょう。

犬の健康診断のメリット

定期的な健康診断は、病気の早期発見につながります。一見すると元気そうに見えても、実は体内で病気が進行している場合があり、知らない間に悪化することもあるかもしれません。健康診断で詳しく調べることで、見えない病気を発見できるのが大きなメリットです。

犬の健康診断がおすすめの時期

犬の健康診断は、ワクチン接種と同時期に行うとスムーズです。動物病院からワクチン接種のお知らせがきたら、健康診断も予約しておきましょう。成犬なら1年に1回、高齢犬は1年に2回の健康診断がおすすめです。

犬の健康診断の内容

犬の健康診断では、触診や体重測定などの身体検査・血液検査が基本です。そのほかに、便検査や尿検査を行う場合もあります。身体検査や血液検査で異常が見られたら、レントゲン検査や超音波検査も行うので、獣医師の指示に従ってください。

場合によっては、CTを始めとした高度医療機器を使った検査を行う場合もあります。レントゲンでは発見できない小さな病変を見つけることができます。通常であれば、健康診断は1時間程度で終わるので定期的な検査を欠かさないようにしましょう。

犬の歯周病を見分けて適切な治療をしよう

犬の歯周病は、口腔だけでなくさまざまな部分に悪影響を及ぼす可能性があります。一度歯周病になると、歯石や歯垢をとっても症状が再発する可能性があるので、きちんと予防をすることが大切です。日頃から歯磨きケアを怠らず、犬が歯周病にならないようにしていきましょう。

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