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犬の熱中症は室内でも起こる!症状が現れた時の正しい対処法を伝授
犬は室内でも熱中症になることをご存知ですか?熱中症の症状や予防対策をきちんと行い、犬の健康を守ることが飼い主の務めです。十分な水分補給や室内の温度調整など熱中症予防に効果的な対策を行い、犬の体調に異変が起きないように気をつけましょう。

犬の熱中症の症状や対処法を伝授
暑い時期に気をつけておきたいのが犬の熱中症です。屋外はもちろんのこと、室内でも十分な対策を行わないと熱中症を起こすリスクがあります。犬は自らが熱中症になっていることを飼い主に知らせることはできません。飼い主が犬の様子を見て、適切に対策を立てていくことが大切です。
本記事では、犬の熱中症の症状や予防対策についてまとめました。熱中症対策に最適な室内の環境を整え、犬が健やかに過ごせるようにしていきましょう。熱中症対策にぴったりな食べ物についてもご紹介するので、参考にしてみてください。
犬の熱中症の原因
気温の高い場所に長時間いることが犬が熱中症にかかる原因になります。犬は人間よりも汗腺が少なく、上昇した体温が下がりにくいと言われています。高気温の場所に長時間いることで体温が上がり熱中症のリスクが高まるため、注意が必要です。夏場の屋外はもちろんのこと、冬に暖房が効きすぎた室内に長時間いることで熱中症になることもあります。
また、過度な運動が原因となって犬が熱中症になることもあるので気をつけてください。たくさん体を動かした後、体温を下げることができず熱中症にかかることがあります。犬は「ハァハァ」と口を開いて息をするパンティングを行うことで体温を下げようとしますが、運動量が多いとパンティングでは追いつかず、熱中症にかかるかもしれません。
このように、熱中症は犬の体温が下がらないことが原因になって引き起こされます。犬がいる環境や体調によって熱中症にかかるか否かが決まってくるので、飼い主が普段から気をつけてあげることが大切です。犬は自ら熱中症予防はできないと考え、飼い主が対策を立ててください。熱中症の原因となることを取り除いていけば、犬の健康を守ることができます。
気温だけでなく湿度も要チェック
熱中症対策と言うと気温に目が行きがちですが、実は湿度も重要なポイントになります。湿度が高い環境にいると汗が蒸発しづらくなり、体温が下がりにくくなるため、高湿度の環境に長時間いると熱中症のリスクが高まります。高気温・高湿度の環境は最も熱中症にかかりやすいので、室内であっても注意が必要です。
特に夏の室内は湿度が高くなりがちです。気づかないうちに湿度が高まり、犬が熱中症になる事態が起こるかもしれません。高い湿度にならないように、除湿機を取り入れるなど工夫をしていきましょう。犬にとって快適な環境を整えておけば、熱中症にかかる可能性は低くなります。犬の熱中症についてきちんと把握して、予防対策を立ててください。
犬の熱中症の主な症状とは
犬が熱中症になっているか否かを判断するためには、熱中症の主な症状について学んでおくことが大切です。熱中症の症状を見逃していると、病気が進行する原因になってしまうかもしれません。普段から犬の様子を見ておくことで熱中症の症状に気づき、正しい対策を立てやすくなります。犬におかしな様子が見られたら、熱中症の症状が出ていないか確認していきましょう。
初期は体温が上昇し呼吸が荒くなる
熱中症の初期には、呼吸が荒くなる症状が見られます。これは、体温が上昇しているのが原因です。犬は体温が上昇すると、口を開けて呼吸をすることで体温を下げようとします。通常であれば口を開いた呼吸によって体温が下がり呼吸も落ち着いてきますが、熱中症になるといつまでも呼吸が荒いままです。口を開いた呼吸がいつまでも続くようなら気をつけてください。
重度になると嘔吐や下痢をする
熱中症が重度になると、呼吸が荒くなるだけでなくさまざまな症状が出ます。そのうちの1つとして挙げられるのが、嘔吐です。熱中症は体温が上がることで体の細胞が損傷され、臓器障害が起こる病気です。症状が進行することで胃腸にも異変が起こり、嘔吐しやすくなります。また、嘔吐だけでなく下痢を起こすこともあるため注意が必要です。
嘔吐や下痢をすることによって体内の水分が奪われ、さらに脱水症状が進行することもあります。脱水状態が続くと、命の危険も出てくるため嘔吐や下痢には十分に気をつけてください。こうした症状が見られたら、かなり深刻な状態と考えることが大切です。なるべく初期症状で改善ができるように犬の健康状態をきちんと確認するようにしましょう。
危険な状態では血尿が出る
犬から血尿が出るようになったら、かなり危険な症状です。熱中症は重篤化すると腎臓に大きな負担がかかり、血尿が出るようになります。腎臓以外の臓器にもダメージが与えられている可能性が高く、この状態で放置すると死に至る可能性が高いです。血尿ではなく、尿が出なくなる症状が出る場合もあります。これも、腎臓に負担がかかっているのが原因です。
熱中症は初期症状で気づき、適切な治療を行えば治すことができます。そのまま放置しておくと症状が進行し、死の危険が高くなるので注意してください。暑い環境にいたり、たくさん運動したりした後は熱中症になっていないか症状を確認しておきましょう。常に犬の体調に気を配ることで、熱中症の症状に気づきやすくなります。
犬の熱中症の対処法
犬につらい思いをさせないためにも、熱中症の症状が見られたらすぐに対策を立てることが大切です。対策をしておけば、熱中症の症状の進行を止めることができます。どのような対策が効果的なのか事前に把握しておくことで、熱中症の症状改善に役立てることができるのではないでしょうか。そこで、熱中症の症状が見られたときの対策についてご紹介します。
日陰や涼しい室内に移動させる
屋外で熱中症の症状が見られたら、すぐに日陰に移動させます。直射日光が当たる環境にいることで体温が上がりやすくなり、熱中症の症状が進行します。日陰を見つけ、犬を連れて行ってください。涼しい室内に移動させるのも熱中症対策として効果的です。エアコンが効いた部屋で犬を休憩させることで、上昇した体温を下げやすくなります。
屋外だけでなく、室内でも高温・多湿の場合は熱中症になることがあります。犬がいる部屋の気温や湿度をチェックして、適切な状態が保たれているか確認してください。もし室内で熱中症の症状が出たら、涼しい部屋の移動させることが大切です。初期症状の段階で犬の体温を下げるようにすれば、熱中症が重症化する可能性は低くなります。
水を飲ませる
体内に水分が足りない状態も、熱中症を引き起こす原因となるため十分な水分補給をすることが大切です。犬の息が荒くなり、苦しそうな様子が見られたらすぐに水を与えるようにしてください。十分な水を補給することで、熱中症の症状を和らげることができます。水を飲むことで体温が下がり、熱中症の進行を抑えられるのもポイントです。

屋外で熱中症になることを考え、水は常に携帯しておくと安心です。こまめに水分補給をさせておけば、犬が熱中症になるリスクを下げることができます。水を飲む量が少ない場合は、犬用スープを飲ませるのもおすすめの方法です。食欲を刺激することで、水分補給しやすくなります。特に夏場は水分補給を意識して過ごすようにしてください。
体を冷やす
熱中症の対策として有効なのが体を冷やすということです。体温が下がらないと、熱中症の症状はどんどん進行してしまうため、体を冷やすことを意識してください。保冷剤や氷のうを脇の下や喉、首筋、内腿に当てます。太い血管が通っている箇所を冷やすことで、効率的に体温を下げることができます。室内では冷感シートを使うのもおすすめです。効果的に体温を下げられます。
また、犬の体に水をかけてから内輪や扇風機で風を当てるのも良いでしょう。ただし、犬の体の冷やしすぎには注意が必要です。冷やし過ぎると、熱中症以外の病気の原因になってしまうかもしれません。犬の様子を見ながら、呼吸が落ち着くまで体を冷やすことが大切です。
動物病院に連れていく

体を冷やす、水を飲ませるなどの応急処置をしても熱中症の症状が改善しない場合は、動物病院へ連れて行ってください。熱中症の症状が想像以上に進行しているかもしれません。動物病院で適切な治療を行うことで、熱中症が重症化することを防げます。動物病院へ行く前に電話をして、症状を伝えておくとスムーズに治療を行うことができるはずです。

動物病院へ連れて行く間も、体を冷やしたり水を与えたりするのを続けるようにしましょう。なるべく体温を下げることで、熱中症の進行を抑えることができます。動物病院についたら、獣医師の指示に従って治療を受けてください。点滴によって薬や水分を犬に投与し、様子を見ます。熱中症の症状によっては入院することもあるため、説明をきちんと聞いておくと安心です。
犬の熱中症の予防と対策
熱中症にならないために、予防対策をしておくことも重要です。日頃から熱中症に気をつけていれば、犬につらい思いをさせることもなくなります。熱中症を予防したいときに最適な対策についてまとめました。室内・屋外に限らず熱中症の予防対策を行い、犬の健康を守るようにしましょう。
暑い日は日中の散歩を避ける

夏場の暑い時期は、日中の散歩は避けることで熱中症予防になります。最も気温が上がる日中は、散歩をすることで熱中症のリスクが高まります。また、強い日差しを浴びたアスファルトは高温になっているのも気を付けるべきポイントです。犬は人間よりも地面に近く、熱いアスファルトの影響を受けやすくなっています。肉球が火傷する原因にもなるため注意してください。
熱い時期の犬の散歩は、早朝や夕方、夜など涼しい時間帯がおすすめです。散歩の時間を工夫して熱中症にかからないようにしてください。日中に熱せられたアスファルトの影響が気になる場合は、芝生などを中心にお散歩させると安心です。犬の様子を見ながら、楽しくお散歩できるようにしましょう。
室内の温度と湿度を調節する
室内を犬に適した環境にすることも大切です。室温は25〜28℃、湿度は45〜65%が良いと言われています。エアコンや扇風機、除湿機などを使って適切な環境を整えるようにしてください。室内に犬がいる場合は、飼い主が出かけていたとしてもエアコンをつけておくのがおすすめです。犬が快適に過ごせるようにしていきましょう。
散歩には犬用の水を持っていく
散歩をするときは水を持っていき、適度に水分補給ができるようにしてください。熱中症は水分不足によって引き起こされることもあります。犬用の水筒はペットショップなどで手に入れることができるので、活用してみてください。
暑い車内に放置しない

車に乗って犬とお出かけをする場合、暑い車内に放置しないことも重要です。締め切った車内は、50℃以上まで上がることもあり熱中症にかかりやすくなります。車でお出かけするときは、犬を車内に放置せず一緒に移動してください。それができないのであれば、涼しい環境を整えた家でお留守番させた方が安心です。
犬の水分補給に役立つ食べ物

水分補給をさせたくても、あまり水を飲まない犬も中にはいるのではないでしょうか?そのような犬には、水分補給ができる食べ物を取り入れるのがおすすめです。水分を多く含み、犬が食べても大丈夫な食べ物をご紹介するので参考にしてみてください。
レタス
全体の95%以上が水分のレタスは、犬の水分補給にぴったりです。水分補給ができるだけでなく、豊富な食物繊維で便秘対策もできます。レタスにはリラックス効果もあると言われ、犬を落ち着かせたいときにもおすすめです。
スイカ
スイカは全体の90%程度が水分です。甘くて美味しいので、犬も好んで食べてくれるのではないでしょうか。スイカを与える場合は、種や皮は取り除いた状態にします。そのまま食べさせるほか、潰してジュース上にするのも良いでしょう。
梨
90%以上の水分量を含む梨は、体温を下げる効果も期待できます。熱中症は体温が過度に上昇することで引き起こされるので、梨のような食べ物を取り入れるのも効果的な方法です。梨を与える場合は、種や芯、皮を取り除いてください。犬が食べやすいように細かくカットしてから与えます。
犬の熱中症を予防して快適な生活を
犬の熱中症は、飼い主が気を付けることで防ぐことができます。暑い夏の日は、熱中症の症状が出ていないかよく確認をすることが大切です。息が荒くなっていないか、ぐったりとしていないかなど、犬の様子をチェックして早期発見に努めてください。もし熱中症の症状が見られたら、体を冷やし水分補給を行うことが重要です。
きちんと熱中症対策をしておけば、症状が進行することなく元気な状態を取り戻せます。症状が悪化するようであれば、動物病院に連れて行って治療を受けると安心です。症状によっては入院することもあるので、医師の指示に従うようにしてください。犬が快適に過ごせるように環境を整え、熱中症にならないようにしましょう。
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